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IV 資本等(平成15事業年度 年報 機構概況編)

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最終更新日:2008年12月2日

1 資本金の状況


(1)上期(平成15年4月1日〜9月30日)

ア.農畜産業振興事業団

事業団の資本金は、政府及び政府以外の者からの出資金で成り立っている。その状況は、次のとおりである。

ア.農畜産業振興事業団
区分 15年度期首(平成15年4月1日) 増減額 15年度期末(平成15年9月30日)
畜産物価格安定等勘定(全額政府出資) 10,322,175,000円 10,322,175,000円
債務保証勘定 927,100,000円 △ 427,100,000円 500,000,000円
政府出資 500,000,000円 500,000,000円
民間出資 427,100,000円 △ 427,100,000円 0円
生糸輸入調整等勘定 5,483,146,820円 △ 452,846,820円 5,030,300,000円
政府出資 5,030,300,000円 5,030,300,000円
民間出資 452,846,820円 △ 452,846,820円 0円
合計 16,732,421,820円 △ 879,946,820円 15,852,475,000円
政府出資 15,852,475,000円 15,852,475,000円
民間出資 879,946,820円 △ 879,946,820円 0円

イ.野菜供給安定基金

野菜供給安定基金の資本金(基本財産)は、政府交付金、政府以外の者からの寄附金等で成り立っている。その状況は、次のとおりである。

イ.野菜供給安定基金
区分 15年度期首(平成15年4月1日) 増減額 15年度期末(平成15年9月30日)
一般勘定 147,632,832円 147,632,832円
設立時に承継した財産 133,632,832円 133,632,832円
政府交付金 100,000,000円 100,000,000円
寄附金 20,940,000円 20,940,000円
流動資産 324,377円 324,377円
固定資産 12,368,455円 12,368,455円
理事会が議決した財産 14,000,000円 14,000,000円
基本財産へ繰入れ 14,000,000円 14,000,000円


(2)下期(平成15年10月1日〜平成16年3月31日)

機構の資本金の状況は、次のとおりである。

(2)下期(平成15年10月1日〜平成16年3月31日)
区分 15年度期首(15.10.1) 増減額 15年度期末(16.3.31)
畜産勘定 29,966,262,336円 29,966,262,336円
野菜勘定 293,139,653円 293,139,653円
生糸勘定 5,030,300,000円 5,030,300,000円
肉用子牛勘定 328,562,593円 328,562,593円
債務保証勘定 371,650,899円 371,650,899円
合計 35,989,915,481円 35,989,915,481円

2 財務の状況

(1)会計処理

上期


ア.農畜産業振興事業団

事業団は、法人としての財務状況及び経営成績を明らかにするため、発生の事実に基づいて経理することとし、特殊法人等会計処理基準に沿った会計処理を行っており、決算については農林水産大臣の承認を受けるとともに、財務諸表の要旨を官報に公告し、かつ、財務諸表等を一般の閲覧に供している。
事業団は、畜産物価格安定等勘定、債務保証勘定、畜産助成勘定、生糸輸入調整等勘定、砂糖価格調整勘定、補給金等勘定及び肉用子牛勘定を設け、各勘定ごとの区分経理の制度を採用し、生糸輸入調整等勘定及び砂糖価格調整勘定においてはさらに内訳として一般経理と資金経理に区分している。
これは、事業団の行う各種の業務がそれぞれ性格を異にしており、特定の行政目的の実現を図り、業務の適正な運営を期するためには、これを区分し各業務の成績の検討を合理的に行う必要があるからである。
事業団の各種業務を執行した結果、決算により利益が生じた場合は次のとおり処理することになっている。また、損失が生じた場合の処理は、各勘定とも積立金を減額して整理し、なお不足があるときは繰越欠損金として整理することになっている。
畜産物価格安定等勘定においては、繰越欠損金があればその補てんを行い、残余があれば当勘定に積み立てることになっている。なお、債務保証勘定から利益処分に伴う繰入れがあった場合も同様に処理することになっている。
債務保証勘定においては、繰越欠損金があればその補てんを行い、残余があれば当勘定に積み立てることになっているが、当分の間、農林水産大臣の承認を受けて残余の額の100分の80以内の額を畜産物価格安定等勘定に繰り入れることができることになっている。
畜産助成勘定においては、繰越欠損金があればその補てんを行い、残余があれば当勘定に積み立てることになっている。
なお、補給金等勘定から利益処分に伴う繰入れがあった場合は、畜産助成資金として管理することになっている。
生糸輸入調整等勘定においては、繰越欠損金があればその補てんを行い、残余があれば、その残余の額に政令で定める割合(100分の80)を乗じて得た額を限度として蚕糸業振興資金に充てることができることになっている。
砂糖価格調整勘定においては、繰越欠損金があればその補てんを行い、残余があれば、当勘定に積み立てることになっている。
補給金等勘定においては、繰越欠損金があればその補てんを行い、残余があれば当勘定に積み立てることになっているが、農林水産大臣の承認を受けて残余の額の100分の80以内の額を畜産助成勘定に繰り入れることができることになっている。
肉用子牛勘定においては、繰越欠損金があればその補てんを行い、残余があれば当勘定に積み立てることになっている。


イ.野菜供給安定基金

野菜供給安定基金は、その財政状態及び経営成績を明らかにするため、発生の事実に基づいて経理しなければならないこととなっており、特殊法人等会計処理基準に沿った会計処理を行っている。また、決算については農林水産大臣の承認を受けるとともに、財務諸表の要旨を官報に公告し、かつ、財務諸表等を一般の閲覧に供している。
野菜供給安定基金では、特定の行政目的の実現を図り、業務の適正かつ能率的な運営を図るため、一般勘定、売買保管勘定及び保管施設勘定を設け、各勘定ごとに区分経理している。
各種業務を執行した結果、決算により利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、準備金として積み立てなければならないことになっている。
また、損失が生じたときは、準備金を取り崩して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならないことになっている。


下期


機構は、法人の財政状態及び運営状況を明らかにするため、独立行政法人会計基準に沿った会計処理を行っており、決算に係る財務諸表は、監事及び会計監査人による監査を受け、農林水産大臣から承認された後、官報に公告し、かつ、各事務所において一般の閲覧に供している。
機構の会計は、業務ごとに経理を区分し、畜産勘定、野菜勘定、砂糖勘定、生糸勘定、補給金等勘定、肉用子牛勘定及び債務保証勘定を設けて整理している。
機構の各種業務を執行した結果、損益計算において利益が生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、当該勘定において積立金として整理することになっている。一方、損益計算において損失が生じたときは、積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理することになっている。
また、補給金勘定においては、損益計算において利益が生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、農林水産大臣の承認を受けて残余の額の100分の80以内の額を畜産勘定の畜産業振興資金に繰り入れることができることになっている。


(2)損益等

上期


ア.農畜産業振興事業団

(ア)畜産物価格安定等勘定

当勘定においては、指定食肉の売買保管業務、指定乳製品、指定食肉及び鶏卵の調整保管事業に対する助成業務、主要畜産物に関する情報収集提供業務及び需要増進業務に係る経理を行っている。
当勘定の損益は、運用益等収入3億7,807万7千円から情報収集提供事業費、一般管理費等3億8,671万5千円を差し引き、863万8千円の当期損失となった。
この結果、次期繰越積立金は、前期繰越積立金191億140万4千円から減額した190億9,276万6千円となった。
また、調整資金の収支は、収入は、政府からの交付金924億8,483万6千円、支出は、畜産助成事業費に598億7,397万6千円、肉用子牛補給金等事業費に71億3,450万8千円、その他畜産物の価格安定等の事業費、一般管理費等に2億3,510万3千円のほか、国庫返納金として8億838万円であった。


(イ)債務保証勘定

当勘定においては、出資者である乳業者等に対する債務保証業務に係る経理を行っている。

・保証実績

本年度における運転資金及び設備資金に対する保証実績は、第1表のとおりである。

第1表 債務保証実績

(単位: 千円)
第1表債務保証実績
区分 期首保証残高 保証高 消滅高 期末保証残高
運転資金 30,000 0 30,000 0
設備資金 0 0 0 0

・求償権

本年度においては、求償権の期首残高2億8,502万7千円に増減はなかった。

・当期損益

当勘定の損益は、保証料及び運用益等収入659万円から業務費、一般管理費等471万9千円を差し引き、187万円の当期利益となった。
この結果、次期繰越欠損金は、前期繰越欠損金1億5,057万3千円を減額し1億4,870万3千円となった。


(ウ)畜産助成勘定

当勘定においては、学校給食用牛乳供給事業に対する補助業務及び指定助成対象事業に対する補助又は出資の業務に係る経理を行っている。
調整資金等を財源とする部分の損益については、業務の財源として調整資金等から599億4,507万5千円、これに運用益等収入27万2千円を加え、これらから指定助成対象事業に対する補助603億7,540万8千円、業務委託費、一般管理費等4億2,237万9千円を差し引き、5億7,330万円の当期損失となった。
この結果、次期繰越積立金は、前期繰越積立金124億6,510万円から減額した118億9,180万円となった。
また、畜産助成資金の収支は、収入は、学校給食用牛乳供給事業及び指定助成対象事業の財源としての政府からの交付金27億4,968万1千円、前期の利益金処分に基づく補給金等勘定からの繰入金8億8,203万9千円、運用益、前期損益修正益等収入22億7,487万円であった。一方、支出は、学校給食用牛乳供給事業に対して1,336万3千円、指定助成対象事業に対して267億7,488万6千円の補助を行ったほか、これらに係る業務費、業務委託費、一般管理費等が5,936万2千円であった。
なお、指定助成対象事業に対する補助総額は、経営対策、加工・流通・消費拡大対策、経営安定のための対策等33項目(前年度からの繰越分7事業を含む。)に対して871億5,029万4千円であった。


(エ)生糸輸入調整等勘定

当勘定においては、需給調整措置の実施に必要な生糸売買事業、生糸短期保管事業の業務の経理を行う一般経理と、繭糸生産流通合理化等事業の業務の経理を行う蚕糸業振興資金に係る資金経理とに区分されている。
当勘定の損益は、収益については輸入生糸売買差額収入15,321俵、3億420万7千円、生糸売渡収入802俵、5,796万5千円、政府交付金収入4億8,783万3千円、蚕糸業振興資金より戻入11億9,784万4千円、蚕糸業振興資金受取利息74万1千円、事業外収益1億386万5千円及び資金経理戻入11億9,784万4千円を合わせた33億5,029万9千円であった。
費用については、生糸売買事業費6億5,008万7千円、繭糸生産流通合理化等事業費11億9,625万3千円、蚕糸業振興資金への繰入7億9,278万1千円、一般経理繰入11億9,784万4千円、一般管理費7,691万1千円及び固定資産除却損59万7千円を合わせた39億1,447万4千円となり、当期損失は5億6,417万5千円となった。
当期損失は前期繰越積立金6億4,910万4千円から減額して整理することとした結果、次期繰越積立金は8,492万9千円となった。
また、蚕糸業振興資金は14年度末残高14億3,045万7千円に、当期の輸入生糸売買差額収入3億420万7千円、政府交付金収入4億8,783万3千円及び蚕糸業振興資金受取利息74万1千円を合わせた7億9,278万1千円を加え、繭糸生産流通合理化等事業費11億9,625万3千円及び輸入事務費戻入159万1千円を合わせた11億9,784万4千円を取り崩した結果、当期末残高は10億2,539万4千円となった。


(オ)砂糖価格調整勘定

当勘定においては、価格調整措置の実施に必要な輸入指定糖の買入・売戻業務、異性化糖等の買入・売戻業務及び国内産糖の交付金交付業務の経理を行う一般経理と、砂糖生産振興等事業の経理を行う砂糖生産振興資金に係る資金経理とに区分されている。
当勘定の損益は、収益については糖価調整事業収入243億9,889万1千円、その内訳として、指定糖調整金収入781千トン、235億3,741万8千円、異性化糖等調整金収入445千トン、8億6,147万3千円であり、そのほか、国庫補助金収入6億1,782万7千円、政府交付金収入14億2,783万7千円、砂糖生産振興資金戻入170億6,398万4千円、資金経理戻入170億6,332万2千円、砂糖生産振興資金受取利息1億6,745万5千円及び事業外収益等2億3,077万2千円を合わせた609億7,008万7千円であった。
費用については、糖価調整事業費134億6,957万8千円、その内訳として、てん菜糖10万1千トン、87億6,694万円、甘しゃ糖・鹿児島1万トン、21億4,598万円及び甘しゃ糖・沖縄1万2千トン、25億1,763万6千円、国内産糖検査委託費3,902万3千円であり、そのほか砂糖生産振興等事業費48億274万円、砂糖生産振興資金繰入3億7,811万3千円、一般経理へ繰入170億6,332万2千円、一般管理費5億8,764万8千円及び事業外費用等1億535万2千円を合わせた364億675万2千円となり、当期利益は245億6,333万5千円となった。
当期利益は、前期繰越欠損金323億3,549万3千円にうめた結果、次期繰越欠損金は77億7,215万8千円となった。
また、砂糖生産振興資金は14年度末残高880億6,071万4千円に当期の砂糖生産振興資金受取利息等3億7,811万3千円を加え、砂糖生産振興等事業費等170億6,398万4千円を取崩した結果、当期末残高は713億7,484万3千円となった。


(カ)補給金等勘定

当勘定においては、輸入乳製品の売買業務及び加工原料乳についての生産者補給交付金交付業務に係る経理を行っている。
輸入乳製品の売買業務については、バター5,242トン、ホエイSBS1,469トン及びTE分として282トンの買入れ(合計23億6,240万6千円(1))を行い、年度内に、バター5,241トン及びそれ以外の品目の全量の売渡し(合計48億8,058万1千円(2))を行った。この結果、売上総損益は24億9,061万6千円((2)−((1)+保管料等))の利益となった。
次に、生産者補給交付金交付業務については、政府から生産者補給交付金の財源77億5,015万4千円を受け入れ、交付対象数量85万5千トンについて91億8,711万7千円の生産者補給交付金を交付した。
この結果、14億3,696万3千円の損失となった。
当勘定の損益は、これらに業務委託費及び一般管理費の財源として受け入れた交付金収入1,927万3千円と運用益等収入1,112万円を加え、業務費、業務委託費、一般管理費等2億7,431万1千円を差し引き、8億973万5千円の当期利益となった。
この利益の処分については、利益の100分の80相当額である6億4,778万8千円を農林水産大臣の承認を受けて畜産助成勘定へ繰り入れることとし、残額1億6,194万7千円を前期繰越積立金272億254万5千円と合わせた結果、次期繰越積立金は273億6,449万2千円となった。


(キ)肉用子牛勘定

当勘定においては、肉用子牛についての生産者補給交付金及び生産者積立助成金の交付業務に係る経理を行っている。
当勘定の損益は、業務の財源として畜産物価格安定等勘定の調整資金等から71億5,419万5千円、これに国庫補助金収入8,235万1千円、運用益、前期損益修正益等収入57万1千円を加え、生産者補給交付金53億749万8千円、生産者積立助成金16億2,308万円、業務費及び一般管理費等3億653万8千円を差し引き、当期損益は0となった。
この結果、次期繰越積立金は、前期繰越積立金1億6,755万6千円から増減はなかった。


イ.野菜供給安定基金

(ア)一般勘定

当勘定においては、指定野菜価格安定対策事業、契約指定野菜安定供給事業、特定野菜等供給産地育成価格差補給助成事業、重要野菜等緊急需給調整事業、野菜構造改革促進特別対策事業、野菜流通合理化推進事業等に係る経理を行っている。
これらの費用のうち、指定野菜価格安定対策事業等の交付金及び助成金は、造成した資金から受け入れた収益で賄うこと等とし、それ以外の業務費、一般管理費等の費用については、資金の運用利息等の収益で賄っており、その差額が当期損益となる。
当勘定の損益は、運用利息等収入9億3,463万1千円から、業務費、一般管理費等7億4,435万4千円を差し引き、1億9,027万6千円の当期利益となった。


(イ)売買保管勘定

当勘定においては、農林水産省令で定める指定野菜の安定的な供給を図るためのその買入、保管及び売渡しを行う業務の経理を行っている。
当勘定は、今期限りで廃止され、残余損益は今期末に一般勘定へ引き継いだため、当勘定の損益としては、運用利息等収入435万9千円から業務費用286万8千円及び一般勘定への繰入149万1千円を差し引いた結果、当期損益は生じなかった。


(ウ)保管施設勘定

当勘定においては、野菜の安定的な供給を図るための保管施設の設置及び管理を行う業務の経理を行っている。
本勘定は今期限りで廃止されることから、保管施設賃貸料、一般勘定からの受入等収入2億5,644万3千円から保管施設維持費、解体費、事業廃止に伴う固定資産の除却等4億1,771万1千円を差し引き、1億6,126万8千円の当期損失となった。
この当期損失は、利益剰余金である準備金総額と同額となり、これらが相殺されて利益剰余金の残額は0円となった。


下期


ア.畜産勘定

当勘定においては、指定食肉の売買保管等業務、指定乳製品、指定食肉又は鶏卵等の調整保管事業に対する補助業務、学校給食用牛乳供給事業に対する補助業務及び畜産業振興事業に対する補助業務、畜産物に関する情報収集提供業務、畜産関係団体に対する出資に係る株式又は持分の管理業務の経理を行っている。
当勘定の損益は、収益が、調整資金戻入益325億4,251万5千円、畜産業振興資金戻入益130億875万円、運営費交付金収益3億6,064万3千円、過年度補助事業費返還金等51億8,237万7千円、運用利息及び雑益1億9,490万1千円に関係会社株式評価益2億2,626万9千円を加えた515億1,545万5千円で、費用が、学校給食用牛乳供給事業費20億9,445万4千円、畜産業振興事業費485億9,175万2千円、畜産物に関する情報収集提供事業費3億3,050万7千円、これらに補助業務に係る業務費及び業務委託費、並びに当勘定の一般管理費等4億5,705万5千円を加えた514億7,377万円となったことから、4,168万6千円の当期利益を計上した。
この結果、次期繰越積立金は、承継積立金42億5,662万1千円と合わせて42億9,830万7千円となった。なお、畜産業振興事業は、環境対策やBSE対策等31項目の事業に対して補助金が交付された。
また、調整資金の収支は、収入は、政府からの交付金123億2,376万7千円、支出は、畜産業振興事業費に323億1,393万6千円、肉用子牛補給金等事業費に120億6,183万9千円、その他畜産物の価格安定等の事業費に1億9,305万5千円、一般管理費等に5,055万4千円であった。
一方、畜産業振興資金の収支は、収入は、政府からの交付金21億7,687万6千円、運用利息、雑益、過年度補助事業費返還金、調整資金運用利息等の受入が52億3,940万5千円、関係会社株式評価益が1億8,473万9千円、支出は、学校給食用牛乳供給事業費に20億9,445万4千円、畜産業振興事業費に162億7,781万6千円の補助を行ったほか、これらに係る業務費、業務委託費、一般管理費等が6,098万4千円であった。


イ.野菜勘定

当勘定においては、指定野菜価格安定対策事業、契約指定野菜安定供給事業、特定野菜等供給産地育成価格差補給助成事業、重要野菜等緊急需給調整事業、野菜構造改革促進特別対策事業、野菜流通合理化推進事業等に係る経理を行っている。
これらの費用のうち、指定野菜価格安定対策事業等の交付金及び助成金は、造成した資金から受け入れた収益で賄うこと等とし、それ以外の業務費、一般管理費等の費用については、資金の運用利息等の収益で賄っている。
当勘定の損益は、運用利息等収入7億7,667万3千円から、業務費、一般管理費等7億7,667万3千円を差し引き、当期損益は0円となった。
これは、野菜生産出荷安定資金又は野菜農業振興資金の運用によって生じた利子その他の当該資金の運用又は使用に伴い生ずる収入は、人件費、事務費その他の業務費に充てるほか、当該資金に充てることができることとなっており、野菜勘定で生じた受取利息等の収益のうち、業務費、一般管理費等必要な経費を控除した差額3億220万9千円を野菜生産出荷安定資金及び野菜農業振興資金に繰り入れたため損益が生じなかったものである。


ウ.砂糖勘定

当勘定においては、価格調整措置の実施に必要な輸入指定糖の買入・売戻業務、異性化糖等の買入・売戻業務及び国内産糖の交付金交付業務と砂糖生産振興等事業の業務の経理を行っている。
当勘定の損益は、収益については、糖価調整事業収入283億8,001万1千円、その内訳として、指定糖調整金収入631千トン、262億4,009万5千円、異性化糖等調整金収入342千トン、21億3,991万6千円であり、国内産糖調整交付金戻入益76億4,235万7千円、運営費交付金収益6億7,488万7千円、砂糖生産振興資金戻入益1,731万2千円、過年度補助事業費返還金等94億2,991万6千円、受取利息1億6,379万6千円及び雑益183万7千円を合わせた463億1,011万6千円であった。
費用については、糖価調整事業費696億283万3千円、その内訳として、てん菜糖492千トン、416億9,431万8千円、甘しゃ糖・鹿児島53千トン、109億6,891万2千円及び甘しゃ糖・沖縄81千トン、166億5,833万2千円、国内産糖検査委託費1億1,699万2千円、業務管理費等1億6,428万円であり、そのほか砂糖生産振興等事業費97億3,112万8千円、一般管理費等3億5,732万3千円及び支払利息等2,662万円を合わせた797億1,790万4千円となり、334億778万9千円の損失となった。
この結果、承継欠損金77億7,215万8千円と合わせ、次期繰越欠損金は411億7,995万円となった。
また、砂糖生産振興資金は、15年度上期末残高713億7,484万3千円に当期の砂糖生産振興資金受取利息等95億8,524万9千円を加え、砂糖生産振興等事業費等95億3,018万4千円及び情報提供収集事業費7,237万7千円を合わせた96億256万1千円を取崩した結果、当期末残高は713億7,043万5千円となった。


エ.生糸勘定

当勘定においては、需給調整措置の実施に必要な生糸売買事業と、繭糸生産流通合理化等事業の業務の経理を行っている。
当勘定の損益は、収益については輸入生糸売買収入16,133俵、3億2,042万9千円、在庫生糸売渡収入5,275俵、4億6,034万6千円、運営費交付金収益3,462万8千円、補助金等収益3億1,331万2千円、財務収益1,979万6千円、雑益55万6千円を合わせた11億4,906万7千円であった。
費用については、生糸売買事業費4億1,920万3千円、繭糸生産流通合理化等事業費3億9,923万2千円、その他業務経費1,752万3千円、蚕糸業振興資金への繰入1億3,967万9千円、一般管理費3,349万9千円及び支払利息9,945万1千円を合わせた11億858万7千円となり、当期利益は、4,048万円となった。
この当期利益は、承継欠損金129億4,017万5千円にうめた結果、次期繰越欠損金は128億9,969万6千円となった。
また、蚕糸業振興資金は、15年度上期末残高10億2,539万4千円に輸入生糸売買収入3億2,042万9千円、蚕糸業経営安定対策資金戻入益2億907万2千円及び蚕糸業振興資金受取利息26万9千円を合わせた5億2,977万円を加え、繭糸生産流通合理化等事業費3億8,845万円及び輸入事務費戻入164万1千円で3億9,009万1千円を取り崩した結果、当期末残高は11億6,507万3千円となった。


オ.補給金等勘定

当勘定においては、加工原料乳についての生産者補給交付金交付業務及び輸入乳製品の売買業務に係る経理を行っている。
生産者補給交付金交付業務については、政府から生産者補給交付金の財源102億8,521万4千円を受け入れ、交付対象数量124万5千トンについて133億6,688万2千円の生産者補給交付金を交付した。
次に、輸入乳製品の売買業務については、バター5,210トン、ホエイSBS 2,131トン及びTE分として391トンの買入れを行い、年度内に全量の売渡しを行った。
これらの結果、当勘定の損益は、収益が、指定生乳生産者団体補給交付金戻入益102億8,521万4千円、輸入乳製品売渡収入48億7,142万4千円に運用利息及び雑益を加えた151億6,551万4千円で、費用が、加工原料乳生産者補給交付金交付事業費134億104万5千円、輸入乳製品売買事業費25億3,877万円に一般管理費等1億5,324万2千円を加えた160億9,305万7千円となったことから、9億2,754万3千円の当期損失となった。
この当期損失は、承継積立金271億9,182万円から減額して整理することとした結果、次期繰越積立金は262億6,427万7千円となった。


カ.肉用子牛勘定

当勘定においては、肉用子牛についての生産者補給交付金交付業務に係る経理を行っている。
当勘定の損益は、収益が、畜産勘定から受け入れた業務財源受入120億7,686万9千円、運営費交付金収益9,495万5千円に運用利息、雑益、過年度補助事業費返還金54万9千円を加えた121億7,237万2千円で、費用が、生産者補給交付金80億5,201万9千円、生産者積立助成金25億1,427万8千円、業務費及び業務委託費、一般管理費等16億805万7千円を加えた121億7,435万3千円となったことから、198万1千円の当期損失となった。
この結果、次期繰越欠損金は198万1千円となった。


キ.債務保証勘定

当勘定においては、乳業者等に対する求償権の管理業務に係る経理を行っている。
求償権の期首残高は、2者に対する2億8,502万7千円であったが、194万9千円を回収したことから、期末残高は2者に対する2億8,307万9千円となった。
当勘定の損益は、収益が、運用利息、貸倒引当金戻入益、雑益を加えた282万8千円で、費用が、求償権回収業務費及び一般管理費等82万8千円となったことから、200万円の当期利益となった。
この結果、次期繰越積立金は200万円となった。