畜産物の需給動向

 6 鶏卵 


▼卸売価格
14年度の卸売価格(東京・M)は、172円/kg(4.9%)と前年度をやや上回る
 鶏卵は自給率が約95%と高いため、鶏卵の卸売価格は生産量の変動が大きく影響する傾向にある。鶏卵の卸売価格の動き(対前年度増減率)を見ると、昭和55年度、60年度、平成2年度、8年度、11年度とほぼ5年周期でピークを迎えている。1つのピークを過ぎると約2年で谷になり、その後約3年間で再びピークになる。この周期的変動には、ひなのえ付け羽数が大きく影響している。高卵価に刺激され、え付け羽数が増加することによって、生産量が増加し、卵価の低落を招いている。
 14年度は、13年度後半にめすひなえ付け羽数が前年を下回ったこと等により、172円と前年をやや上回った(図10、P.121、122)。
 10年度は、生産量は前年度を下回ったものの、食中毒報道等の影響から需要はさらに減退し、かなり下落した。11年度は、生産量は前年並みであったものの、賞味期限等表示の実施、M玉の外食需要の増加等から大幅に上昇した。12年5月以降は家計消費の低迷等の影響を受け、前年同月を下回って推移した。
 13年度は、ほとんどの月で卸売価格が低迷したため、4〜10月及び14年1、3月に鶏卵価格安定対策事業による補てんが行われた。
 14年度は、12月まで前年を上回って推移したものの1月は冬期としては低い141円となり、14年4〜8月、15年1、3月に標準取引価格が補てん基準価格(14年度は169円/kg)を下回っため、鶏卵価格安定対策事業による補てんが行われた(図11、表)。