畜産物の需給動向

 7 飼料 


▼飼料需要量の推移
15年度の飼料需要量は、可消化養分総量(TDN)ベースで、1.1%減少の見込み

 飼料の需要量は、平成3年度の2,857万2千トン(TDNベース)をピークに、その後、家畜の飼養頭羽数の減少などを反映して減少傾向で推移している。13年9月の国内初のBSE感染牛の確認に伴い、乳用牛・肉用牛の出荷が停滞したため、14年度には、一時的に増加した。しかし、15年度には前年度を1.1ポイント下回る2,542万3千トンとなった(図1、P.123)。

 純国内産飼料自給率((国産粗飼料+濃厚飼料(純国内産原料))/総需要量)は、近年、25%前後を横ばいないし減少傾向で推移している。15年度には、粗飼料の減産などにより前年度をわずかに下回る23.6%を見込んでいる。内訳をみると、粗飼料自給率は前年度を2.0ポイント下回る75.6%、濃厚飼料自給率は前年度と同じ9.7%となる見込みである(図2)。

 

注1:

「TDN」とは、家畜が消化できる養分を数値化した「可消化養分総量」のこと。
 算出方式…TDN(%)=(粗たん白質×その消化率)+(粗脂肪×その消化率×2.25)+(粗繊維×その消化率)+(可溶性無窒素物×その消化率)

注2:

濃厚飼料の「純国内産原料」とは、国内産に由来する濃厚飼料(国内産飼料用小麦・大麦等)である。濃厚飼料の「輸入原料」には、輸入食料原料から発生した副産物(輸入大豆から搾油した後発生する大豆油かす等)も含む。



図1 飼料需要量の推移(TDNベース)
図2 純国内産飼料自給率の推移(TDNベース)
資料:農林水産省生産局畜産部畜産振興課 資料:農林水産省生産局畜産部畜産振興課