畜産物の需給動向

 3 豚肉 


▼消 費
推定出回り量は、172万トン(3.5%)とやや増加
推定出回り量
 豚肉の推定出回り量は、近年ほぼ1 5 0万トン前後で推移していたが、1 5年度以降は、牛肉などの代替需要により、豚肉の需要が高まり、1 6年度は前年を5万9千トン上回る1 , 7 2 0 , 0 0 7トン(3.5%)となった。

 内訳は、国産品が8 8万6千トン(▲0 . 8%)、輸入品が8 3万4千トン(8 . 6%)となり、前年に比べ、輸入品が6万6千トン増加した(図1 3、P . 170)。

 1 5年度の豚肉の消費構成割合は家計消費が4 0 %、加工仕向が2 9 %、その他(業務用、外食等)が3 1 %となった。前年度と比べると家計消費とハム・ソーセージなど加工仕向が減少し、外食、業務用への仕向割合が増加している(図14、P.149)。


図13 豚肉の推定出回り量
図14 豚肉消費の構成割合


資料:農林水産省「食肉流通統計」、財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ
 注:部分肉ベース
資料:農林水産省生産局畜産部食肉鶏卵課
注:14年度に遡及して加工仕向の集計方法を変更した


家計消費

図15 豚肉の家計消費量(1人当たり)

 豚肉の家計消費量は、1 3年9月に国内で発生したB S Eによる牛肉の代替需要により、順調に増加してきた。さらに、1 6年1月以降は、国内外での高病原性鳥インフルエンザの発生により鶏肉の代替需要が加わり、1 6年度の豚肉の家計消費量は5 , 4 0 7 g/人( 3 . 5 %)となった。また、消費金額ベースでは7,271円/人(4.1%)となり、消費単価は100グラム当たり134円となった。
資料:総務省「家計調査報告」
食肉加工仕向肉量
図16 豚肉の加工仕向肉量  食肉の中で、豚肉は牛肉や鶏肉に比べハム、ソーセージなどを中心により多く加工利用されている。1 6年度における豚肉の加工仕向肉量は、牛肉の約3 4倍、鶏肉の約1 0倍である4 2 1 , 7 5 9トン(2 . 9%)で前年をわずかに上回った。内訳をみると、輸入品は3 4 2 , 9 2 1トン(3 . 8%)と年々増加し、国産品は7 8 , 8 3 8トン(▲0 . 8%)と減少しており、加工品の原材料が輸入物へとシフトしている。(図16、P.149)。
資料:農林水産省「食肉加工品生産量調査」
15年4月以降は(社)日本ハム・ソーセージ工業協同組合調べ