畜産物の需給動向

 5 牛乳・乳製品 


▼乳製品

脱脂粉乳
 
   
17年度の推定期末在庫量は7万5千トンとかなり大きく減少(▲14.4%)、大口需要者価格は前年をわずかに下回る(▲1.3%)
   

図14 脱脂粉乳の生産量と輸入量

図15  脱脂粉乳の推定期末在庫量


 脱脂粉乳の需給は14年度以降緩和し、在庫も積み増したことからカレントアクセスの輸入は行われず、17年度の生産量は189,733トン(3.9%)と前年度をやや上回った(図14、P.206)。  17年度の推定出回り量は202,447トン(7.6%)、推定期末在庫は、製菓・製パン、乳飲料関係などの脱脂粉乳を使用した商品需要が落ち込んでいるが、前年度に続き過剰在庫解消への取り組み(2万トン対策)などにより75,290トンと前年度末より12,714トン(▲14.4%)とかなり大きく減少した(図15、P.207)。


 図16 脱脂粉乳の大口需要者価格

図17 脱脂粉乳の流通ルート(平成16年度推計)


 大口需要者価格は、14年度は前年度並み(▲0.3%)であったが、在庫過剰感から、15年度は微減(▲0.5%)し、16年度以降前年度をわずかに下回り、17年度には、平均で13,157円/25キログラム(▲1.3%)となった(図16、P.212)。  16年度における脱脂粉乳の推定供給量188,000トンのうち、乳業メーカーの社内消費仕向けが34.1%、社外販売が65.9%となっている。社外販売量123,900トンのうち需要者に直接販売されるのは、25,700トン(社外販売量の13.7%)である(図17)。



バター
 
   
17年度の推定期末在庫量は3万1千トンと大幅に増加(20.5%)、大口需要者価格は前年度並みの水準(▲0.4%)
   

図18 バター、クリームの生産量と輸入量

図19 バターの推定期末在庫量


 バターの生産量は、13年度には、生乳の飲用向けの増加が一巡したことに加え、在庫量が減少したことで回復した(4.1%)。14年度には、牛乳の消費が好調に推移したことから再び減少(▲4.3%)し、15年度はわずかに増加(2.5%)した。16年度にはわずかに減少(▲1.2%)したが、17年度には85,468トン(6.1%)とかなりの程度増加した。
 クリーム等は、17年度には83,301トン(0.5%)と前年度並みの水準であった(図18、P.206)。
 バターの推定期未在庫量は、13年度にハイファットクリームチーズの関税分類の変更に伴いバターの需要量が増加し、14年度は牛乳の消費が好調で加工向けが減少したこと、また同時に生産される脱脂粉乳の在庫量が増加を抑制したことにより減少(▲13.8%)した。15年度には増加(12.9%)し、16年度には減少(▲3.9%)したが、17年度の推定期末在庫量は31,040トンとなり前年度末より5,277トン(20.5%)と大幅に増加した(図19、P.207)。


図20 バターの大口需要者価格

図21 バターの流通ルート(平成16年度推計)


 大口需要者価格は、13年度以降には在庫の減少から価格低下に歯止めがかかり、14年度、15年度には前年をわずかに上回ったが、16年度以降前年度並みの水準であり、17年度には、平均で948円/キログラム(▲0.4%)となった(図20、P.212)。  16年度におけるバターの推定供給量89,400トンのうち、乳業メーカーの社内消費仕向けが13.9%、社外販売が86.1%となっている。社外販売量77,000トンのうち需要者に直接販売されるのは、11,500トン(社外販売量の12.9%)にすぎず、主に大手乳業系列販社、乳製品卸などを含む一次卸売が65,000トン(同72.7%)を占め、二次卸売を経由するのは19,800トン(同22.1%)となっている。(図21)。



チーズ
 
   
17年度生産量、輸入量は増加、総消費量は減少
   

図22 チーズの総消費量と国産割合

図23 ナチュラルチーズの生産量・輸入量


 チーズ(ナチュラルチーズとプロセスチーズ)の1人当たり年間消費量は約2.0kgと欧米に比べて格段に少ないものの2kg台に達した。全体の消費量については13年度、14年度には減少し、15年度、16年度には増加したが、17年度には、261,822トン(▲1.5%)とわずかに減少した。(図22、P.208)。

 プロセスチーズの消費量は、安定した伸びを示しており、14年度以降増加し、17年度には118,240トン(2.8%)とわずかに増加した。直接消費用ナチュラルチーズ(プロセスチーズ原料用以外のものを指し、業務用その他原料用を含む)は143,582トン(▲4.8%)とやや減少した。
 ナチュラルチーズ全体の輸入量は増加傾向で推移していたが、13年度、14年度はそれぞれ1.4%、5.2%減少し、15年度以降再び増加していたが、17年度には197,575トン(▲5.2%)とやや減少した。うち直接消費用は129,641トン(▲6.5%)、プロセスチーズ原料用は67,934トン(▲2.5%)となっている(図24、P.208)。

 その結果、総消費量における国産の割合は15.8%と前年度を2.3ポイント上回った(図22、P.208)。

図24 平成17年度チーズ総消費量の内訳

 

 

 ナチュラルチーズ全体の輸入量は増加傾向で推移していたが、13年度、14年度はそれぞれ1.4%、5.2%減少し、15年度以降再び増加していたが、17年度には197,575トン(▲5.2%)とやや減少した。うち直接消費用は129,641トン(▲6.5%)、プロセスチーズ原料用は67,934トン(▲2.5%)となっている(図24、P.208)。

 その結果、総消費量における国産の割合は15.8%と前年度を2.3ポイント上回った(図22、P.208)。
 


アイスクリーム
 
   
17年度生産量は増加、輸入量は減少
   

図25 アイスクリームの生産量と輸入量

 

 

 アイスクリームの生産量は13年度にはかなりの程度増加(7.6%)したが、14年度にはやや減少(▲3.3%)した。15年度からは増加し、17年度には119,753キロリットル(6.3%)とかなりの程度増加した。
 輸入量は、15年度、16年度には増加したが、17年度には19,303トン(▲13.0%)とかなり大きく減少した(図25、P.210)。