畜産物の需給動向

 5 牛乳・乳製品 

▼小売動向・販売数量(POSレジ通過客数千人当たり)

飲用牛乳等
その他の乳製品
   
17年度は、全体に低下傾向 5年間にバター、アイスクリーム、ナチュラルチーズは上昇、一方、プロセスチーズ、生クリーム類は下落
   

図28 飲用牛乳等の小売価格の動向

図29 乳製品の小売価格の動向


 牛乳は、全体に緩やかな低下傾向で、17年度には13年度を1.1ポイントとわずかに下回る結果となった。

 加工乳は、14年度以降13年度を上回っていたが、17年度には13年度を3.7ポイントとやや下回った。

 乳飲料は、近年下降傾向で推移しており、17年度には13年度を3.4ポイントとやや下回った。
はっ酵乳は、16年度以降13年度を下回っており、17年度には13年度を3.6ポイントとやや下回った(図28、P.202)。
 バターは、ゆるやかな上昇傾向にあり、17年度には13年度を3.7ポイントとやや上回った。

 ナチュラルチーズは、低下傾向にあったが、14年度には下げ止まり、17年度には13年度を7.7ポイント上回る水準まで回復した。

 プロセスチーズは、低下傾向にあり、17年度には13年度を3.2ポイントとやや下回る水準となった。

 アイスクリーム(プレミアムタイプ)は、13年度から上昇傾向で推移し、17年度には13年度を3.6ポイントとやや上回った。

 生クリーム類(植物性油脂由来も含む。)は、14年度以降13年度並みの水準であり、17年度には13年度を0.9ポイントとわずかに下回った(図29、P.214)。


ホクレン、生乳を産廃処理へ

 ホクレン農業協同組合連合会は18年3月、生乳の生産過剰により乳業各社の処理能力を上回ったことから、加工のめどが立たない生乳1,000トンを、産業廃棄物として処分することを決めた。

 指定生乳生産者団体であるホクレンが、受託した生乳を廃棄処分するのは、不足払い制度が始まって以来、初めてのことである。

 牛乳の需要減退でバターや脱脂粉乳などの加工用に回す生乳が増えたことに加え、春休みに入り、学校給食向け牛乳の需要も減少したことから、受け皿となる本州の乳業各社も対応できず、結果的に、892トンの北海道産生乳は行き場を失うことになった。

 17年度の北海道生乳生産量は、好天で良質な飼料が増えたこともあり、前年度を6万2千トン(前年度比1.6%増)上回る388万3千トンとなった。