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2011年第1四半期の主要乳製品輸出は、数量・金額とも軒並み増加(アルゼンチン)

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全粉乳輸出量は3割増

 アルゼンチン国家動植物衛生機構(SENASA)によると、2011年第1四半期(1〜3月)の主要乳製品輸出は、全粉乳が数量で前年同期比28.7%増の約3万9000トン、金額で同46.4%増の約1億4000万ドル(約113億4000万円、1ドル≒81円)となったのをはじめ、主要品目で数量および金額ともに軒並み増加した。
 同国から最も多く輸出されている全粉乳については、ベネズエラやアルジェリア向け、また、業界関係者が今後輸出に一層力を入れていきたいとしているチーズについては、ブラジルやロシア向けが順調であった。

注1:世界における主要乳製品輸出におけるアルゼンチンの位置付けについては、2010年4月13日付海外駐在員情報「主要乳製品の輸出をめぐる動向」参照。
表

乳製品の国際需給ひっ迫が好調の背景

 輸出が好調となった背景としては、緩和基調であった乳製品の国際需給が2009年下半期以降回復し、ひっ迫傾向となったことが挙げられる。ドイツ乳製品市場価格情報センター(ZMB)によると、2011年2月の全粉乳の国際価格は、前年同月比42.1%高の1トン当たり4550ドル(約36万9000円)、バター、脱脂粉乳についてもそれぞれ同44.4%高の5200ドル(約42万1000円)、同44.8%高の3800ドル(約30万4000円)となった。

注2:乳製品の国際価格の動向については、「畜産の情報」2010年5月号、需給動向EUの牛乳・乳製品、乳製品の国際価格参照。

生乳生産者価格も好調

 好調な輸出を反映して、アルゼンチンの生乳生産者価格も上昇傾向にある。アルゼンチン農牧漁業省(MINAGRI)によると、2011年3月の価格は、前年同月比28.5%高の1リットル当たり1.54ペソ(約31円、1ペソ≒20円)となった。なお、米国農務省(USDA)は、今後も順調な輸出が続けば、アルゼンチンの2011年の生乳生産量は前年比4%増の約1110万トンと見ている。
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【石井 清栄 平成23年5月11日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際グループ)
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