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米国のトウモロコシ作付は天候不順の影響で例年より遅れ気味

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 米国農務省(USDA)は5月31日の「Crop Progress」(毎週発表)の中で、主要18州における5月29日時点のトウモロコシ作付進捗状況を86%と発表した。この数値は市場関係者の予測を下回ったものの、ロシアの小麦輸出禁止措置の解除の動きなどに伴い小麦相場(シカゴ)が急落したことから、シカゴ相場のトウモロコシの先物も連動し、5月31日の期近物(7月)は11セント安の747.50セント/ブッシェルで終了した。

多雨によりコーンベルト東部などの州において遅延

 5月29日時点のトウモロコシ作付進捗率は、先週(5月22日)と比べ7ポイント増の86%と改善を見せているものの、過去5年平均を9ポイント下回っている。
 州別にみると、洪水などの天候不順により、コーンベルト東部のインディアナ州、ミシンガン州、オハイオ州は、過去5年平均をそれぞれ28ポイント、25ポイント、74ポイント下回る、59%、67%、19%となるなど大幅な遅れが認められている。
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6月30日に公表される「Acreage」に注目

 2011/12年度(9〜8月)トウモロコシの生産予測量は、現時点では3月末に公表された作付意向調査結果である92.2百万エーカーを基礎に計算され、6月30日に「Acreage」が公表され次第、その数値に置き換えられることとなる。今般の天候不順により作付が遅れている状況を踏まえると、大豆に切り替える生産者がでてくるため、作付面積が下方修正されるとの見方がある。一方で、ネブラスカ州やアイオワ州においては作付が順調に進んでいることから、堅調なトウモロコシ価格やコーンベルト東部における作付の遅れを踏まえ、同地域などにおいて作付意向調査を上回る作付が行われるのではないかとの見方もある。
【上田 泰史 平成23年6月1日発】
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