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韓国豚肉需給の現状と今後の見通し(2012年3月現在)

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 韓国農村経済研究院(KREI)農業観測センターが3月26日に公表した2012年4月号の畜産観測(豚編)に基づき、韓国の豚肉需給の現状と今後の見通しを報告する。

2012年3月、850万頭まで回復

 2012年3月の豚の飼養頭数は、繁殖用母豚の無税枠の設定により母豚導入が進んだことから、2011年12月比約3.9%増の850万頭前後と推定される。3か月毎の予測では、6月は母豚数の増加が持続されるため、前回の見通しから30万頭上方修正の890〜900万頭(3月比5.3%増)と見込まれる。これらは、忠清南道や全羅北道など、口蹄疫(FMD)の被害が比較的小規模だった地域の頭数増加が堅調なことが一因である。9月には950〜960万頭(6月比6.7%増)と、6月から70万頭増加し、FMD発生以前の水準に近づく見通しである。
 なお、第4四半期(10月‐12月)の枝肉価格の急落に備えた低能力母豚及び発育不良子豚のとう汰数により、6月以降の飼養頭数は見通しより少なくなる可能性がある。
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4月以降のと畜頭数はFMD発生前の水準に回復見通し 

 2012年2月のと畜頭数は、前月比15.4%増、前年同月比37.7%増の110万頭となった。
4〜9月のと畜頭数は、飼養頭数の回復や政府による卸売市場豚出荷促進により前年同期比34.8%増の681万頭と見込まれる。これは、FMD発生以前の2010年同期水準と比べ、わずか3%下回る水準である。
 なお、4〜9月の生産量は、出荷頭数の増加により前年同期比37.7%増と、FMD発生前と同水準まで回復すると見込まれる。
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4月の枝肉価格は1キログラム当たり4,300〜4,500ウォンの見通し

 3月の枝肉価格は、豚肉需要の不振が継続しており、前月比3.5%増の1キログラム当たり4,376ウォン(326円:100ウォン=7.45円(3月末TTSレート)となった。
 4月は気温上昇に伴う外出需要の増加から最大値では3月をわずかに上回る同4,300〜4,500ウォン(同1.7%安〜2.8%高)と見込まれる。
 需要期を迎える5〜6月の枝肉価格は、4月を300ウォン以上上回る4,600〜5,000ウォン(同4.4〜8.5%高)と見込まれるが、政府による物価安定対策により見通しを下回る可能性もある。
 7月〜8月の枝肉価格は、国内産豚肉の供給量増加と無税枠の輸入の影響により6月を200ウォン下回る4,400〜4,800ウォンと見通されている。
 なお、9月の枝肉価格は、7〜8月の価格を10%以上下回る3,800〜4,200ウォンとFMD発生前の水準に近づくと見通されている。
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2012年4月、2万トンの無税枠追加

 2011年の豚肉の総輸入量は、48万7千トンで、そのうち無税枠分は51.3%の25万トンであった。
 2011年の無税枠は、1月〜6月の適用期間に冷凍バラ肉1万トンと同製品の加工用5万トン、3月〜6月期に冷凍バラ肉5万トン、5月〜6月期に冷蔵肉(その他のもの(注))2万トン、6月〜12月期に豚肉13万トン、8月〜9月期に加工用冷蔵肉(その他のもの)無制限の設定がなされ、すべて消化された。
 2012年は、第1四半期(1−3月)に7万トン(うち冷蔵及び冷凍バラ肉で5万トン、
加工用冷凍バラ肉2万トン)を無税枠で措置した。
 さらに、政府は3月20日、第2四半期(4−6月)に7万トンの無税枠の追加措置を発表した。しかし、韓国養豚協会は、国内豚肉価格が下落傾向での輸入量増加は、養豚農家の収益性の低下を招くため、出荷自粛などの対抗措置を行うと表明し、政府と交渉した結果、無税枠は2万トン(冷蔵及び冷凍バラ肉用)に減らすことで合意した。市場の需要によって5万トン(冷蔵及び冷凍バラ肉用)の追加のオプション措置は残っているものの国内豚肉供給見込数量からすると適用されない可能性はある。
 2012年の4−9月の総輸入量は、13万〜14万トンと見通されおり、FMD発生前となる2010年の同期の15万トンとほぼ同水準になる模様。
 (注)「その他のもの」とは、関税分類において枝肉及び半丸枝肉、骨付きのもも肉及び肩肉並びに
     これらを分割したもの(骨付きに限る。)以外のものが該当する。
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【宗政 修平 平成24年4月19日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4397