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2012年3月のフィードロット飼養頭数は3カ月間で5%減少 (豪州)

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総飼養頭数は前回調査比4.9%減

 豪州フィードロット協会(ALFA)は5月10日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)と共同で四半期ごとに実施している全国フィードロット飼養頭数調査の結果(2012年1-3月期)を公表した。
 これによると、2012年3月末時点の総飼養頭数は75万2113頭(前年同期比3.4%減)となり、前回調査(2011年12月末時点)の79万975頭よりも4.9%減となったことがわかった。全体の5割以上を占めるクイーンズランド(QLD)州では41万5508頭(前年同期比3.0%減)で、前回調査よりも10.4%減となり、総飼養頭数の減少に最も大きな影響を及ぼした。
 
 また、収容能力も前回調査から減少に転じ、125万5233頭(前年同期比4.0%減、前回調査比4.5%減)となった。
 総飼養頭数と収容能力がいずれも減少した結果、稼働率は前回調査から0.2ポイント減の59.9%にとどまった。
 

1-3月期のグレインフェッド牛肉輸出量は、前年同期から15.6%減

 ALFAは減少要因として、長引く豪ドル高と厳しい国際競争による輸出需要の低下を挙げている。
 牛肉の国際的な需要の減少から米国産牛肉との競合が激化している中、1〜3月平均の豪ドルは1豪ドル当たり1.06米ドル(前年同期比5.0%高)で推移した。このことが、日本や韓国などグレインフェッド牛肉の主要輸出市場で、米国産牛肉との競争力を低下させたと分析している。
 MLAによると、今期のグレインフェッド牛肉の全輸出量(船積重量ベース)は前年同期比15.6%減の4万2860トン、日本向けは同15.8%減の2万8677トン、韓国向けは同35%減となっている。
 また、フィードロットが多く点在するQLD州南東部ダーリングダウンの飼料穀物価格(1〜3月平均)は、ソルガムが前年同期比24%安、小麦が20%安となり、フィードロット業者の収益性の改善につながった。しかし、好天から牧草肥育の需要が増し、肥育素牛価格は同1%高と、依然として高止まりの状況であった。飼料穀物価格の下落は、今期の飼養頭数増にはつながらなかった。
 豪ドルは5/15日以降、5カ月振りに1豪ドル当たり同1.0ドル以下となった。フィードロット業者や輸出業者は肥育素牛価格や為替の改善に期待を寄せている。
【伊藤 久美 平成24年5月21日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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