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第一次産業省、酪農および肉牛産業の見通しを公表(NZ)

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 ニュージーランド第一次産業省(Ministry of Primary Industry, 以下「MPI」という。)は6月12日、2015/16年度までの「第一次産業の現状と見通し」を公表した。
 ここでは酪農および肉牛産業についてその概要を報告する。

酪農

〜乳価の下落で、1頭当たり生産性が低下〜

 2012/13年度(6〜翌5月)の生乳生産量(乳固形分ベース、以下同じ)は、前年度比0.4%減の165万7000トンとほぼ前年度並みが予測される。2012年6月末時点での経産牛飼養頭数は、493万頭と前年から2.3%増加するものの、1頭当たりの生産性の低下がこれを相殺するとみられる。生産性の低下は、乳価の下落が要因である。2012/13年度の生産者乳価は、前年度比5.8%安の乳固形分1キログラム当たり5.73NZドル(350円、1NZドル=61円)と予測される。これは、主要供給国が軒並み増産となっていることやEUの金融不安などにより国際乳製品価格が軟化していることを反映したものである。
 MPIは、2015/16年度までの中期的な予測として、新興国の需要などで乳製品の国際価格は堅調に推移すると予測している。そのため、2015/16年度の生乳生産量については、2011/12年度比6.3%増の176万8000トン、乳価については同28.8%高の7.83NZドル(478円)と順調な成長を予測している。
 

肉牛

〜輸出量は中期的にほぼ横ばい〜

 肉牛については、今回予測の期間(2015/16年度(7〜翌6月)まで)を通じて、飼養頭数(380〜390万頭)、輸出量(35万トン台)ともにほぼ横ばいでの推移となっている。これは、羊や肉牛の草地が、その収益性を背景に酪農や林業向けに転換される傾向が続くと予測されることを反映したものである。
 一方で牛肉価格および輸出額については、アジアや発展途上国からの需要増を背景に堅調に推移するとしており、2015/16年度の牛肉価格(Prime級)については、2011/12年度比21.2%高の1キログラム当たり4.98NZドル(304円)、輸出額は22.4%増の25億1500万NZドル(1534億円)と予測している。
 
【前田 昌宏 平成24年6月13日発】
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