畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 海外情報 > 2012年 > 米国BSE発生に伴う輸入検疫強化の終了(韓国)

米国BSE発生に伴う輸入検疫強化の終了(韓国)

印刷ページ
 平成24年6月23日、韓国政府(以下「政府」)は、米国産牛肉に対する検疫検査の抽出率を50%から3%に下げ、輸入検疫の強化を終了すると発表した。韓国では、4月25日に米国で4例目の牛海綿状脳症(BSE)の発生が確認された後、米国産牛肉の輸入検疫を強化し、牛肉と一緒にBSEの感染源となる特定危険部位(SRM)が梱包されていないか確認していた。
 関係者は、今回の強化の終了に際し、発生後、一部滞っていた輸入手続きが今後はスムーズに進むと期待する。
 今回の米国BSE発生にかかる韓国の動きは次の通り。

1 BSE発生後の韓国政府の対応

 政府は2006年以来、6年ぶりに米国でBSE感染牛(10歳7カ月)が確認されたとの報告を米国から受け、現在、国内に輸入されている米国産牛肉とは関連性がないこと、月齢制限(30カ月齢未満に限る)と特定危険部位(SRM)の除去を理由に国内で消費される米国産牛肉の安全性には影響がないこと、を発表した。
 しかしながら、前回、米国で発生した際、今後は発生が確認された国からの輸入を一時的に停止するなど、BSE対策についてなんらかの対応を図るとしていた。このため、今回の発生についても国民や関係団体などからの要請を受け、米国への政府調査団の派遣、米国産牛肉の輸入検疫強化、全輸入牛肉の原産地表示の強化、を実施してきた。

(1)米国への調査団の派遣
 4月30日〜5月11日、政府は、米国における安全管理体制を確認するため、調査団を米国へ派遣した。調査団は、米国農務省(USDA)、国立獣医研究所とBSE検査用の試料を採取したレンダリング施設、飼養していた農場等関連施設を視察した。
 5月11日、政府はUSDAの公表内容を確認し、対応措置に問題がなかったとして、米国産牛肉は安全であると発表した。この政府の対応を踏まえ、米国産牛肉の販売を停止していた国内大手スーパーは販売を再開した。

(2)米国産牛肉の輸入検疫強化 
 4月25日、政府はSRMの混入を確認するため、米国産牛肉の輸入検疫にかかる抽出率を、発生前の3%から30%に引き上げた。さらに4月27日には50%まで強化した現物確認の徹底を行った。
 5月末まで10,193トン(開封個数254,448個)を検査した結果は、SRMの混入はなかったことから、6月23日をもって従前の3%に引き下げ、輸入検疫の強化を終了した。

(3)全輸入牛肉の原産地表示の取締強化
 今回の発生により、米国産牛肉を国産あるいは他国産と原産地を偽装して販売する可能性があったことから、小売りや外食店舗における牛肉の原産地表示の取り締まりを強化した。

 この取締により、米国産を国産又は豪州と表示して販売するなど、5月までに142業者が摘発された。
 韓国では、昨年の1月26日に飲食店における表示義務違反の罰則を懲役3年から7年に引き上げるなど罰則強化を講じ、原産地表示の偽装防止に努めている中での大量摘発となった。

2 国内牛肉価格と5月の米国産輸入量への影響

 国内の牛肉価格(韓牛1等級)は、BSE発生を契機として急落したものの、政府の安全宣言以降、値を戻して推移している。
 一方、2012年5月の米国産の冷凍牛肉の輸入量は、5,681トン(前年同月比28.9%減)であった。内訳を見ると、骨なしで2,695トン(同39.0%減)、骨付きショートリブ2,820トン(同11.6%減)、骨付きその他1,093トン(同28.2%減)となった。
 しかしながら、韓国農村経済研究院(KREI)農業観測センターによれば輸入量の減少は、BSEの影響だけではなく、3月時点の冷凍牛肉の輸入在庫量は前年同月比で13.0%増加しており、そもそも過剰な在庫を抱えていたことも要因として挙げる。さらに、6−8月期は、BSEの影響及び輸入在庫の増加により、冷凍牛肉の輸入量は前年に比べて2割弱落ち込むものと見込んでいる。
 
 
 
【宗政 修平 平成23年6月29日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4397