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韓国の牛肉需給の現状と今後の見通し(2012年6月現在)

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 韓国農村経済研究院(KREI)農業観測センターが5月25日に公表した2012年6月号の畜産観測(肉用牛編)および韓国貿易統計に基づき、韓国の牛肉需給の現状と今後の見通しを報告する。

2012年9月の飼養頭数は、2011年並み

 牛の総飼養頭数は、2012年3月が294万頭(前年同月比2.0%増)であり、飼養頭数の伸び率に歯止めがかかったと言える。
 これは、小規模農家が廃業し飼養戸数が減少(前年同月比7.0%減)したことや政府が今後の牛肉の供給過剰を抑制するため2012年に10万頭の削減を目標とした雌牛縮小奨励金制度(予算額300億ウォン(約21億円 100ウォン= 6.89円(5月末TTSレート)))を導入したことにより雌牛のと畜頭数が急激に増加したことが要因である。
 この制度の影響により6月は307万頭(同0.7%増)、9月は305万頭(同0.3%)と、2011年の頭数並みと見込まれている。
 また、飼養頭数のうち95%以上を占める純血種(韓牛)の1‐4月期の精液血統証明書の発行件数は52万2千ストローと平年(2007〜2011年の平均)と比べ10.7%減少しているため、今後、飼養頭数の減少は続くと見込まれる。
 
 
 

6月以降の卸売価格は下げ相場へ転換の見込み

 2012年5月の韓牛の牛肉卸売価格(枝肉ベース)は、1++等級はキログラム当たり17,269ウォン(前年同月比8.1%高 約1,190円 100ウォン=6.89円(5月末TTSレート))、1+等級は同15,580ウォン(同14.4%高 約1,073円)、1等級は同13,959ウォン(同16.4%高 約962円)、2等級は同10,625ウォン(同13.9%高 約732円)、3等級は同8,220ウォン(同14.7% 約566円)とすべてのランクで、前年同月を上回った。
 しかしながら、6〜8月は行楽シーズンで豚肉および鶏肉の消費が伸び、牛肉の消費が相対的に減少する季節サイクルのため、1等級価格は12,500〜13,500ウォン(約861〜930円)と平年(2007〜2011年の平均)の14,997ウォン(約1,033円)を下回って推移すると見通されている。
 

2012年1−4月期の牛肉輸入量は、前年比13.5%減

 2012年1−4月期の牛肉全体(冷蔵および冷凍)の輸入量は、86,592トン(前年同期比13.5%減)となった。内訳は、冷蔵(HSコード0201)が13,053トン(同14.6減)、冷凍(HSコード0202)が73,539トン(同11.4%減)となった。
 また、3月時点の冷凍の在庫が42,834トンと昨年同月(37,251トン)と比べ5,583トン増加している。
 6−8月の冷凍牛肉(HSコード0202)の輸入量は、在庫の増加と4月の米国のBSE発生の影響により6万トン(対前年同期比16.6%減)と見込まれている。
 
【宗政 修平 平成24年7月6日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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