畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 海外情報 > 2012年 > シカゴ相場高騰を受け、ブラジルの穀物価格も上昇

シカゴ相場高騰を受け、ブラジルの穀物価格も上昇

印刷ページ
 6月末に発表された米国の主要生産地域での高温と乾燥気候による作柄悪化を受け、南米のトウモロコシの価格が上昇傾向にある。

ブラジル:米国農務省の干ばつ発表を受け、国内トウモロコシ価格は41%高

 ブラジルは現在、収穫が進んでいる。2011/12年度トウモロコシ生産量は6948万トン(前年度比21.0%増)と過去最高が見込まれていることから、6月中旬まで、主産地のマットグロッソ州のスポット価格(現物)等は軟調に推移した。
 6月下旬、米国のコーンベルト地帯の影響による、シカゴ相場の急騰を背景とし、ブラジル産トウモロコシの需要が高まり、相場を押し上げている。
 トウモロコシ価格(サンパウロ、7月26日)は前日からわずかに下げたものの、6月28日から41%高の271ドル/トン(687セント/ブッシェル)と、2007年12月に記録した327ドル/トン(831セント/ブッシェル)に近づきつつある。
 ブラジルはトウモロコシ生産の7割を国内消費に仕向けており、価格高騰は今後、養鶏・養豚など畜産業界への影響が懸念される。
 一方で、輸出需要も高まるとみられている。7月26日付けFinancial Timesによると、米国大手豚肉パッカーは米国産トウモロコシからブラジル産へ一部切り替えるとしている。これは、東海岸に拠点を置く同社にとって、米国中西部よりもブラジルから輸入した方が安価であるとする。
 ただし、穀物輸出港であるサントス港(サンパウロ州)やパラナグア港(パラナ州)などは、港湾インフラの老朽化や積み出し能力不足、ストライキなどによって滞船が常態化している。30日以上滞船する場合もあり、切り替えには課題もある。

参考 ブラジル、2011/12年度のトウモロコシ生産は第2期作の収穫が進行、大豆は収穫終了
 図
 
【岡 千晴 平成24年7月27日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-8609