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ブラジル地理統計院が2012年第4四半期の畜産データを発表(ブラジル)

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 ブラジル地理統計院(IBGE)は3月末、と畜頭数や生産量などに関する2012年第4四半期(10〜12月)のデータを公表した。ブラジルでは放牧主体の牛肉生産が好調である一方、豚肉および鶏肉の生産は、米国の干ばつに端を発した飼料穀物価格高騰の影響を受け、減少する結果となった。

 参考 ブラジル地理統計院が2012年第3四半期の畜産データを公表(ブラジル)

牛肉:と畜頭数が過去最高の記録を更新

 2012年第4四半期の牛のと畜頭数は、2四半期連続で過去最高を更新し、818万6000頭となった。また、牛肉生産量(枝肉換算)は過去最高の195万トンを記録した。これは、飼料穀物価格高騰の影響を受け、豚肉や鶏肉などの畜産物価格が上昇したことから、牛肉価格に割安感があったことや、前年同期比26.9%増と好調な牛肉輸出が後押ししたためとみられる。2012年の年間実績では、牛のと畜頭数(前年比8.0%増、3111万8000頭)および生産量(同8.4%増、735万トン)ともに過去最高を記録した。
図1
表1

豚肉:飼料穀物の価格の高騰により飼養頭数および生産量は減少

 一方、第4四半期の豚と畜頭数は最大の生産州であるサンタカタリーナ州でのと畜頭数の減少が影響し、前年同期比0.8%増の908万3000頭とほぼ同じ数量となった。ただし、生産量は同1.1%減となっており、これは飼料穀物価格の高騰により、第3四半期に前倒しでと畜を増やしたためとみられる。ただし、2012年を通じてみると、食肉需要の高まりにより、豚のと畜頭数および生産量(枝肉換算)は、それぞれ前年比1.9%増の3553万1000頭、同2.8%増の346万4520トンと増加している。
図2
表2

鶏肉:飼料穀物価格の高騰により処理羽数および生産量は減少

 第4四半期の鶏の処理羽数は、前年同期比2.4%減の12億8800万羽となった。ブラジルでは、国内のトウモロコシや大豆かす価格の影響による生産コスト上昇を受け、鶏肉生産量(骨付き)も同3.2%減となった。第3四半期と比べると、処理羽数が同2.2%減、生産量が同3.6%減となっており、鶏肉生産量の減少割合は処理羽数の減少割合を大きく上回っていることから、早期出荷が進んでいるとみられる。2012年を年間でみると、鶏の処理羽数は減少しているものの、生産量(骨付き)は前年をわずかに上回っており、それぞれ前年比1.9%減の51億8502万羽、同1.0%増の1153万2840トンとなった。
図3
表3
【岡 千晴 平成25年4月4日発】
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