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2013CAP改革に対する関係業界の反応

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 欧州委員会は2013年6月26日、2014年から施行される新たな共通農業政策(CAP : Common Agricultural Policy)について、欧州委員会、欧州議会および欧州理事会により政策的合意が得られたことを発表した。(詳細「2013CAP(共通農業政策:Common Agricultural Policy)改革−主な内容−」2013年7月8日掲載) この改革の内容に対する関係業界の反応は以下のとおりである。

生産者団体

 EU最大の生産者団体である欧州農業組織委員会/欧州農業協同組合委員会(Copa−Cogeca)は、今回のCAP改革について「持続的な生産が可能となることは評価するが、生産者や農業組織の強化が図られなかったことは残念」とし、新たに加わった緑化対策(Greening)について、「より現実的で柔軟性の高いものとなることを望む」とのコメントを発表した。また、今後見込まれる食料需要の拡大に対応した食料生産強化のための措置が盛り込まれなかったことには不満を示すとともに、農業市場での極端な価格変動を軽減するための効率的な対策の必要性を強く求めている。一方で、同団体が継続を主張していた現行の環境保護対策の多くは、そのまま新たな緑化対策の枠組みの中に組み込まれたことで、称賛の意を示している。

小規模生産者団体

 小規模生産者団体は、新たなCAP改革の内容について、生産に応じた直接支払の拡大や初期面積を拡大したことは評価するとのコメントを出している。一方、補助金の再配分については、十分でないとしている。小規模生産者団体の一つで新加盟国の生産者で構成する欧州農民の道コーディネーション協会(European Coordination Via Capesina)は、「旧加盟国と新加盟国の間に存在した格差は今後是正される」としながらも、「国内の格差是正は依然として進まない」と不満を声を表した。また、生乳クオータが廃止されることに落胆を示し、「これにより多くの酪農家が廃業に追い込まれるだろう」とコメントしている。

環境団体

 環境保護団体の多くは、今回のCAP改革については「環境配慮に欠けるもの」とし、「我々の主張が反映されず、環境に対しては一歩後退」、「今回の改革の大部分は、数社の多国籍企業や経営者に利益をもたらすだけのものであり、環境や小規模生産者、新加盟国にとっては災害といえる」など、数多くの反対の声が上がっている。また、「環境に関する重要な対策について適切な予算が確保されず、結局、多くの措置は所得補償を支えるために姿を変えらだけ」と環境保護に対するCAP改革のマイナス面を強く主張している。
 CAP改革の焦点の一つは、生産者の所得を支える「直接支払」のうち、その30%を「緑化」により支出する点にある。EUの経済の立て直しや、雇用の確保など様々な問題への対処が求められる中で、依然として農業部門にEU共通予算の約4割が投入されている。このため、「緑化」を前面に持ち出すことで単に生産者を支えるものではなく、環境や地域を保護し、すべての納税者に有益となることを強くアピールする狙いがある。
 今回の合意では、緑化の受給条件である「生態学的重要地域の割当」が7%から5%に引き下げられるなど、欧州委員会の「国際市場を意識した市場の強化」の方向性を反映し、当初の提案時から要件が緩和されており、これが環境団体の強い批判につながった。
【矢野 麻未子 平成25年7月12日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際グループ)
Tel:03-3583-9805



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