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2013/14年度の小麦、大麦は大幅増の一方、ソルガムは減産見通し(豪州)

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冬作物は増産の見通し

 豪州農業資源経済科学局(ABARES)は12月3日、2013/14年度(7月〜翌6月)の冬作物および夏作物の生産見通しを発表した。これによると、冬作物の小麦が2621万3000トン(前年度比16.7%増)、大麦が862万トン(同15.5%増)と、前年度からは大幅増としており、過去5年平均からもかなりの程度上回ると見込まれている。
 生産見通しを州別に見ると、西オーストラリア(WA)州やビクトリア(VIC)州、南オーストラリア(SA)州で増産が見込まれる一方、クイーンズランド(QLD)州やニューサウスウェールズ(NSW)州で減産見通しとなった。
 冬作物の最大の生産州であるWA州は、春先となる9月以降に降雨が得られたことで、前回(9月)見通しから上方修正された。ただし、降雨により、10月から開始された冬作物の収穫は翌1月上旬頃までかかるとみられている。収穫の遅れなどから、WA州では、前年と比べ、小麦のたんぱく含有量の低下が懸念されている。
 減産が見込まれるQLD州やNSW州では、冬から春にかけての乾燥に加え、春先の霜害も影響し、前回予測から下方修正された。QLD州やNSW州北部の収穫作業はおおむね終了しており、小麦たんぱく量については、これまでのところ、平年よりも高いとみられている。
表1 2013/14年度の主要冬作物生産見通し

ソルガム生産量は前年度比2割減

 夏作物の主要作物であるソルガムは、作付面積が前年度から7.2パーセント減の55万2000ヘクタール、生産量は同19.8パーセント減の160万8000トンと見込まれている。前回予測では、ソルガムの国内価格の上昇による作付面積の増加が見込まれていたものの、生産地であるQLD州やNSW州北部で継続する、乾燥気候による土壌水分量の低下から、作付面積が下方修正され、さらなる減産見通しとなった。
 綿実やコメについては、前回見通しから、ほぼ据え置きとなっている。
 ABARESは、夏作物について、主産地の土壌水分量の低下から、生育には今後の降雨が必要としている。しかしながら、豪州気象庁(BOM)の2014年2月までの気象予測によると、QLD州の夏作物生産地域の降水量は平年以下、NSW州北部でも平年並みか下回るとされている。
表2 2013/14年度の主要夏作物生産見通し
【伊藤 久美 平成25年12月4日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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