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2014年1〜7月の牛乳輸入量は17万3000トン(中国)

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 中国海関総署によると、2014年1〜7月の牛乳輸入量は17万2863トン(前年同期比56.6%増)となった。輸入先国別にみると、ドイツ6万9861トン(同52.2%増)、ニュージーランド2万2744トン(同25.2%増)、フランス2万4071トン(同35.4%増)、豪州1万8133トン(同32.0%増)と軒並み増加した。
 同署によると、2010〜2013年の牛乳輸入量は1万6000トン、4万トン、9万4000トン、18万5000トンと、年々大幅に増加しており、2014年は30万トンを超えると予測される。また、この4年間は、ロングライフ(LL)牛乳の輸入の伸びが大きく、その増加率は乳製品の中で伸びが顕著な全粉乳を上回っている。
表

国内の牛乳市場は年々拡大

 中国乳業協会によると、2013年の牛乳消費量は約2300万トンとされ、常温保存可能なLL牛乳や超高温殺菌(UHT)牛乳の消費が主流である。このうち輸入牛乳のシェアは1%未満にすぎないが、近年急速に輸入量が増加しているため、国内の乳業メーカーは危機感を募らせている。現地報道によると、割高な育児用粉乳の代わりに、輸入牛乳を乳幼児に与える親が増えているという。
 現在、UHT牛乳の製造コストや販売価格面では国産品の方が安価である(注)とされるが、ブランド力や品質面では輸入品に優位性があり、高値でも売れ行きは好調とのことである。
 一方、低温殺菌牛乳について、国内牛乳消費に占める市場構成比は2割程度で、年成長率は8〜10%とされる。この分野においても今後の高成長が見込まれ、海外ブランドが国内に流入しつつある。

(注)中国乳業協会によると、UHT牛乳(1000ml)の小売価格は、国産品が13〜15元(218〜252円、1元=16.8円)、輸入品は20〜27元(336〜454円)。
【木下 瞬 平成26年8月22日発】
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