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2013/14年度のNZの酪農家戸数は6年連続増加、生乳生産量は過去最高の2000万キロリットル超

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 ニュージーランド(NZ)の酪農関連団体であるデーリーNZは12月5日、NZ家畜改良公社(LIC)と共同で実施しているNZの酪農に関する統計調査結果「New Zealand Dairy Statistics 2013-14」を公表した。

酪農家戸数、飼養頭数ともに増加

 これによると、2013/14年度(6月〜翌5月)の酪農家戸数は、1万1927戸(前年比0.3%増)と、前年をわずかに上回った。酪農家戸数は、2007/08年度の乳製品国際価格の高騰を契機に、それまでの減少傾向から微増傾向に変化しており、6年連続で前年を上回っている。
 また、経産牛の飼養頭数は、492万2806頭(同2.9%増)と、上昇基調が継続している。 また、1戸当たり飼養頭数は、413頭(同2.6%増)となり、規模拡大傾向が継続している(図1)。
図1 NZの酪農家戸数、経産牛飼養頭数の推移

生乳生産量、過去最高の2000万キロリットル超

 2013/14年度の生乳生産量は、2066万キロリットル(前年比9.4%増)となった。前年度は、干ばつの影響から前年を下回ったものの、2013/14年度は、気象条件はおおむね良好であったことや、記録的な高乳価から酪農家の増産意欲が高まったことから、再び増加に転じ、2000万キロリットルを上回る過去最高の生乳生産量となった。
 また、高い乳価に刺激され、補助飼料の投入が増加したとみられており、1頭当たり乳量も4196リットル(同6.3%増)と、過去最高となった(図2)。
図2 NZの生乳生産量の推移

南島における規模拡大が継続

 NZの酪農は歴史的に北島を中心に行われてきたが、近年、南島の占める割合が高まっている。2013/14年度は、酪農家戸数こそ北島の割合が依然として7割を占めているが、経産牛飼養頭数および生乳生産量において北島の占める割合は6割程度まで減少している。さらに、1戸当たり飼養頭数を見ると、北島の338頭に対し、南島は630頭と、北島の倍近い飼養規模となっている。南島はかんがいの整備により過去10年飛躍的に酪農が拡大している。業界では、土地価格の高い北島、とりわけ主要酪農地域のワイカト地方などでの規模拡大は難しく、今後の生産増加が見込める地域は南島とみられており、近い将来、生乳生産の割合も逆転すると予想されている(図3)。
図3 NZの酪農における北島と南島の比較(2013/14年度)
【根本 悠 平成26年12月15日発】
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