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米国農務省、世界の乳製品需給見通しを公表

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 米国農務省(USDA)は12月16日、2014年および2015年の世界の乳製品需給見通しを公表した。これによると、2014年の主要輸出国の生乳生産量は、飼料穀物価格の低下や年前半の高い乳価水準を背景に前年比3.9%増と見込んでいる。また、2015年の生乳生産量について、国際的な乳製品需給の緩みから前年比1.4%増にとどまると予想している。
表1 主要乳製品輸出国の生乳生産見通し

中国およびロシアの乳製品輸入は低調

 乳製品需給のカギを握る中国とロシアの輸入見通しについてUSDAは、2015年は減少もしくは前年並みと予測している。中国については、全粉乳の輸入量が経済成長の鈍化や高い在庫水準などにより2014年比で11.8%減、また、バターやチーズの輸入が多いロシアについては、2015年8月に禁輸措置が解禁されると見込んだとしても、減少した2014年と同水準にとどまるとみている。
表2 中国およびロシアの乳製品輸入見込み

乳製品価格は引き続き低水準と予測

 2014年の乳製品国際価格(オセアニア地域の輸出価格)は、主要輸出先国の生乳生産量の増加、中国などの乳製品輸入の減少、ロシアによる主要乳製品生産国からの禁輸措置、米国ドル高で推移する為替相場などにより、ほぼ一貫して低落傾向にある。全粉乳の国際価格を例に取ると、2014年1月にはトン当たり5000米ドルを超えていたものが、同年11月には2000ドル台での推移となっている。
 2015年の乳製品価格についてUSDAは、現在の需給緩和傾向が調整されるまで、低水準で推移すると予想している。

【平石 康久 平成26年12月22日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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