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NZ一次産業省、2018/19年度までの畜産物需給見通しを公表

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生乳生産量は緩やかに増加、乳製品輸出は大幅に増加の見通し

 NZ一次産業省によると、冬から春にかけての穏やかな気候により生乳生産が増加したことを背景に、今年度(2014/15年度)の生乳生産量は186万トン(乳固形分ベース)となり、前年度を1.8%上回ると見込んでいる(図1)。
 今後の生産見通しについては、2015/16年度は183万トン程度と今年度に比べてわずかに減少するものの、その後緩やかに増加し、2018/19年度には199万トン(今年度比7%増)になるとしている。
 なお、乳牛飼養頭数については、2015/16年度は531万頭(前年度比2.5%増)と見込んでおり、今後の見通しについては、生乳生産量と同様に緩やかに増加し、2018/19年度には560万頭になるとしている。
図1
 一方、今年度の乳製品輸出額は、主要輸出先であった中国への輸出量の減少を背景に、141億7400万NZドル(1兆2473億円、1NZドル=88円)と、記録的な高水準となった前年度を22%下回ると見込んでいる(図2)。
 今後の見通しについて同省は、東南アジアやアフリカの需要が増加していることや、中国の需要が2015/16年度には回復してくること、さらに、都市化や食の欧風化によってアジア全体の乳製品消費量が今後10年で30%近く増加すると見込まれることを挙げ、NZの乳製品輸出額は、2018/19年度にかけて毎年平均6.8%のペースで増加していくとしている。また、相次ぐ自由貿易協定(FTA)の締結も、輸出増の追い風となるとしている。
 今年度の生産者乳価については、乳固形分1キログラム当たり5.62NZドル(495円)となり、前年度の乳価を1ドル近く上回ると見込んでいる。今後の見通しについて同省は、世界的な乳製品需要の高まりに伴う乳製品国際価格の上昇や、米ドルに対するNZドル安等の影響を見込み、同6.70NZドル(590円)まで上昇するとしている。
図2

牛肉輸出は増加傾向で推移した後、緩やかに減少する見通し

 NZ一次産業省によると、米国からの強い需要やNZ国内のと畜頭数の増加を反映し、2014/15年度の牛肉輸出額(子牛肉を含む。以下同じ。)は、28億5700万NZドル(2514億円、前年度比2.6%増)と見込んでいる(図3)。さらに同省は、継続的な米国からの強い需要や、豪州の干ばつに伴うと畜頭数の増加見込みを背景に、2016/17年度まで輸出額はわずかながら増加するとしており、その後、2017/18年度以降は緩やかに減少すると見通している。
 また、牛肉価格についても、米国からの需要を背景に2016/17年度まで高水準で推移した後、2017/18年度以降は、緩やかに下落するとしている。
 なお、肉牛飼養頭数については、2014/15年度以降、2018/19年度にかけて緩やかな増加傾向が継続するとしている。
図3
【竹谷 亮佑 平成27年6月19日発】
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