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ブラジルJBS社、今年中の米国への生鮮牛肉輸出は困難と予想

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 ブラジルに本社を置く世界最大級の食肉企業であるJBSグループ(*)のウェズレイ・バチスタ最高経営責任者(CEO)は8月15日、ブラジルから米国への生鮮牛肉の輸出が、ブラジル政府の予想よりも遅い2016年以降になるとの見方を示した。
 今年6月、ブラジルのジウマ・ルッセフ大統領がワシントンを訪問した際、両国間で合意がなされたものの、同氏は、政府内部の手続きや米国の牛生産者からの抵抗を克服するのには、もうしばらく時間がかかると述べている。米国の生産者を含む牛肉業界は、ブラジルの口蹄疫に関する防疫体制が不十分であるとして、非加熱の牛肉の輸入に強く反対している。
 なお、ブラジル農業省(MAPA)は、米国向けの牛肉輸出が8月に開始される可能性があるとしてきた。一方、米国農務省(USDA)は、6月末に輸入を許可する手続きに着手したが、実際に輸入に至るには更なる手続きが必要としている。
 ブラジルは、すでに米国向けにコンビーフなどの牛肉調製品を安定的に輸出している(図)。
図
※JBSグループ…
 同グループは、米国や豪州などの食肉企業の買収などにより、現在、世界最大の食肉企業でありブラジルを中心に、米国、豪州、カナダ、ウルグアイ、パラグアイでも牛肉生産を中心とした事業展開を行っている。また、豚肉や鶏肉生産もグローバルな生産展開を行っており、最近では2015年7月、傘下のJBS USAが米国豚肉大手カーギル社の豚肉部門の買収を発表するなど、同グループは国際市場で多大な影響力を有している。
表
【米元 健太 平成27年8月20日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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