2014/15年度主要穀物の生産状況等調査結果（第12回）を公表（ブラジル）

　ブラジル国家食糧供給公社（CONAB）は9月11日、2014/15年度（10月〜翌9月）第12回目（最終回）となる主要穀物の生産状況等調査結果を発表した。当該調査は、春植えの夏期作物（大豆、第1期作トウモロコシなど）と、秋植えの冬期作物（第2期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など）の生産予測を毎月発表するものである。
　これによると、2014/15年度の主要穀物の作付面積は、5804万ヘクタール（前年度比1.7％増）と見込まれている。このうち、トウモロコシは、第1期作の作付面積は、前年度に引き続き大豆への転換が進んだことを受けて減少したものの、第2期作については生産が好調であったことから、同年度の生産量は過去最高の8472万9200トン（同5.8％増）が見込まれる。
　一方、大豆は、3209万3100ヘクタール（同6.4％増）と増加が予測されており、生産量は過去最高の9624万3300トン（同11.8％増）が見込まれている。

　2014/15年度のトウモロコシ生産は、前年度に米国などの豊作によりトウモロコシの国際相場が低価格で推移したことに加え、一部地域で第1期作の作付適期に降雨不足となったことを受け、作付面積の減少が見込まれる。
　第1期作は、例年、8月下旬頃から南部より順次作付けされ、翌4月末頃までにほぼ収穫を終える。今回の報告では、第1期作の生産量が前回から6万トン下方修正され、前年度比4.4％減の3024万4100トンと見込まれている。州別の作付状況を見ると、主要生産州全てで前年度を下回る予想である。一方、北東部、南東部を中心とした高温乾燥の影響が限定的であったことから、全体として前年度を上回る単収が見込まれている。
　第2期作は、主に1〜3月にかけて作付けが行われ、5〜8月にかけて収穫が行われる。今回の報告では、第2期作の生産量が前回から49万トン上方修正され、前年度比12.6％増の5448万5100トンと見込まれている。国内最大の生産州であるマットグロッソ（MT）州では、当初、第2期作の作付適期に降雨が不足したことに加え、2015年2月中旬から3月上旬にかけて発生したトラック運転手によるストライキが作付けにマイナスに働いたとみられていた。しかしながら、2月下旬以降4月にかけて、MT州を含む最大の生産地域である中西部で適度な降雨を記録したことで、大幅な増産が見込まれている。この他、他の主要生産州でも軒並み作付面積および単収の増加が予想されている。
　こうしたことから、2014/15年度の生産量（第1期作＋第2期作）は過去最高の8472万9200トン（同5.8％増）と予測されている。

　また、CONABは、新興農業開発地域である北東部を中心としたマトピバ地域の2014/15年度のトウモロコシ生産量を、同3.1％減の641万4000トンと見込んでいる。マトピバ地域では土壌改良が進み優良農地が拡大する中、近年、主に大豆の生産が拡大している。こうした中、輪作作物としてトウモロコシが選択されており、トウモロコシの生産拡大が続いていたが、今年度は作付面積の減少を受け、前年度から減産する見込みとなっている。

　2014/15年度の大豆生産量は、前年度比11.8％増の9624万3300トンと過去最高を更新する見込みである。この要因として、大豆の国際価格は下落傾向にあるものの、生産コストが低く、他の作物よりも収益性が高いことに加え、生育不良リスクも低いことを挙げている。
　例年、大豆の作付けは9月頃から順次開始され、12月までにほぼ終了する。2014/15年度は、不安定な天候により主要生産地の一部で作付けが遅れたものの、ほぼ全ての州で作付面積が前年度を上回っている。
　主要生産州の単収は、中西部のゴイアス州（国内第4位の大豆生産州）が2014年11月後半から2015年1月前半にかけて続いた高温乾燥の影響で低下したものの、それ以外の州では良好とされ、国内の平均単収は、同5.1％増の1ヘクタール当たり3.0トンが見込まれている。中西部に次ぐ主要生産地域である南部では、前述のストライキの余波により若干落ち込むとみられていたが生産への影響が限定的であったことから、大豆生産量の予測値は前回並みとなった。
　なお、CONABは、これまで大幅な伸びを記録してきたマトピバ地域における2014/15年度の大豆生産量を作付面積の拡大と単収増により大幅な増加を見込んでいる。