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豚肉の短期需給見通しを公表(EU)

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 欧州委員会は2015年10月16日、農産物の短期需給見通しを公表した。このうち、2015年の豚肉需給見通しの概要を紹介する。

豚肉生産量は前年比2.7%増

 豚肉卸売価格の低迷にも関わらず、生産調整に要するタイムラグから豚肉生産量はほぼ全ての加盟国で増加しており、2015年上半期の豚肉生産量は前年同期比3.9%増となった。最大の増加はスペインで、母豚の増加などにより同9.1%増となった。また、主要生産国であるデンマーク、ドイツ、オランダ、ポーランドなどでも軒並み高い増加率となった。しかしながら、直近の統計によると、2015年6月の主要生産国の経産豚および未経産豚頭数は前年をわずかに下回っており、減産の兆候がみられている。このため、2015年の豚肉生産量は前年比2.7%増、2016年は同0.5%増と見込んでいる。

豚肉輸出量は前年比7.5%増

 豚肉卸売価格の低迷とユーロ安で推移する為替相場に加え、アジアからの強い需要により、2015年上半期の豚肉輸出量は、前年同期比15%増となった。増加した主な輸出先国は、中国、フィリピン、ジョージア、バルカン諸国、韓国である。同期の日本への豚肉輸出量は前年同期比減(注:19.6%減)となったが、これは日本の豚肉在庫が十分にあることと豚流行性下痢(PED)発生から復調した米国が日本の輸入シェアを回復しつつあることに伴うものとしている。
 最新のラボバンク(オランダの農協系金融機関)の調査によると、中国は豚肉生産量の減少により、2015年は60万トンの豚肉が不足するとし、この分の追加輸入が必要と分析している。ブラジルの豚肉減産の影響もあって、2015年のEUの豚肉輸出は前年比7.5%増と見込まれている。しかしながら、2016年は、米国産やブラジル産との輸出競合により同3.0%増と見込んでいる。

域内消費は生産増・価格安で増加

 2015年のEU経済は、年率で2%近い成長が見込まれており、これに加えて石油価格の低下により消費者の購買力が増加するとしている。このような中、豚肉生産量の増加と豚肉卸売価格の低下により域内消費が伸びており、1人当たりの年間豚肉消費量は、前年比700グラム増の32.7キログラム、EU全体の消費量は前年比2.3%増と見込んでいる。
【中野 貴史 平成27年10月22日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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