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豪州の2015年12月フィードロット飼養頭数、過去最高を記録

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 豪州フィードロット協会(ALFA)は2月25日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)と共同で四半期ごとに実施している、全国フィードロット飼養頭数調査結果(2015年10〜12月期)を公表した。これによると、2015年12月末のフィードロット飼養頭数は99万7765頭(前年比3.4%増、前回調査比3.8%増)と、過去最高を記録した。フィードロット稼働率(収容能力に対する飼養頭数の割合)は81%(前年比、前回調査比ともに3ポイント減)と減少に転じたものの、引き続き高い水準を維持している(図)。
図
 飼養頭数を州別に見ると、飼養頭数の過半を占めるクイーンズランド(QLD)州では、前年比1.7%減とわずかに減少したものの、飼養頭数第2位を占めるニューサウスウェールズ(NSW)州では、前年比13.4%増とかなり大きく増加しており、飼養頭数の増加をけん引している(表)。前回調査比で見ると、QLD州は10.7%減とかなりの程度減少したが、NSW州は同27.0%増と大幅に増加した。これは、NSW州をはじめとした豪州中南部の降雨量が減少し、QLD州をはじめとした豪州北部の降雨量が増加する季節変動によるものである。
表
 ALFAは、フィードロット飼養頭数の増加について、2015年10〜12月にかけて、前年同期比16%安と米ドルに比べて豪ドル安で推移する為替レートや、同10%近く安い豪州国内の飼料穀物価格を受け、肥育もと牛導入意欲が高まったことが背景にあるとしている。こうしたもと牛導入意欲の高まりを受け、10〜12月期のQLD州の肥育もと牛価格は、前年同期比31.4%高と大幅に上昇した。今後の見通しについて、MLAは、肥育もと牛価格の高騰や、穀物肥育牛に対する需要の高さを受け、と畜頭数が増加し、フィードロット飼養頭数は減少に転じるとしている。
 なお、2015年10〜12月期の穀物肥育牛肉の輸出量は、6万9119トン(前年同期比6.3%増、前期比1.4%増)と過去最高を記録した。輸出量の約5割を占める日本向けは約3万6000トン(前年同期比6.5%減)と減少に転じたものの、韓国向けは約1万3000トン(同40%増)と大幅に増加している。
【竹谷 亮佑 平成28年3月2日発】
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