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増大する脱脂粉乳の公的買入(EU)

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 脱脂粉乳の公的買入は、既報(平成28年4月22日発)のとおり、当初の買入限度数量に達し、4月19日に入札により2万7038トンの買入が実施された。それ以降は、限度数量が2倍に引き上げられ、従前同様、EU規則に定める公的買入価格(100キログラム当たり169.80ユーロ(2万1225円:1ユーロ=125円))での買入れが継続されている。

 生乳生産量は、2016年1月から2月までの累計で前年同期比7.4%増(4月25日現在)と増産基調で推移している一方で、牛乳乳製品の需要は弱いため、生産者乳価は低迷し、100キログラム当たり30ユーロ(キログラム当たり37.5円)を2月に下回って以降さらに下降を続け、4月の速報値(5月4日現在)は、同27.62ユーロ(同34.5円)にまで下落している。
 増産された生乳の多くは、脱脂粉乳やバターに振り向けられ、脱脂粉乳生産量は、2016年2月までの累計で前年同期比17.3%増、バターは、同10.1%増となっている。
 脱脂粉乳については、平均卸売価格が公的買入価格を下回っており、公的買入への申請が増加しているが、バターについては、平均卸売価格が公的買入価格を上回っていることから、公的買入への申請はなく、併せて実施されている調整保管(PSA:民間在庫補助)への申請が行われている。
脱脂粉乳の公的買入量/週
 脱脂粉乳の公的買入の限度数量が2倍の21万8000トンに引き上げられて以降も、卸売価格のさらなる下落および脱脂粉乳の増産により、公的買入への申請量は増加している。新たな限度数量の下、3週間で13カ国から計5万1061トンの申請があった。フランスを筆頭に、デンマーク、ベルギー、オランダと続く4カ国で、全体の7割近くを占めている。このペースで申請が継続した場合、7週目(6月第1週)には再び上限に達することになる。脱脂粉乳の生産量は、季節的に2月以降増加し、5月に生産のピークを迎えることから、7週目より早い段階で限度数量に達してしまう可能性は高い。
 
 欧州委員会は、共通農業政策(CAP)の共通市場規則(CMO)に規定される市場不均衡時の特別措置として、生乳減産を目的とした自主的生乳供給計画の策定を可能とするEU規則を策定し、4月12日から6カ月の期間限定で施行されたが、このような状況にあっても増産意欲のある生産者が少なくない中、効果ある減産を実施することは難しく、現時点で、この新たな自主的生乳供給計画に基づく減産が行われているとは考えられていない。
 
 こうした中、生産者などは新たな支援策を欧州委員会に要望している。しかしながら、ホーガン農業・農村開発担当欧州委員は、昨年9月の総額5億ユーロ(625億円)の緊急支援措置のうち、各加盟国に配賦された予算を執行するよう各加盟国に訴えた。特に、加盟国独自に補助できる生産者1人当たり年間1万5000ユーロ(187万5000円)の予算について、減産に取り組んだ生産者に補助するよう促している。
【調査情報部 平成28年5月18日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-8527



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