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ミシェル・テーメル暫定政権が発足(ブラジル)

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 ブラジル上院議会(定数81名)は5月12日、ルセフ大統領(労働党)の弾劾法廷設置の是非をめぐる投票を実施し、賛成55名、反対22名、棄権・欠席4名と、設置に必要な過半数を大きく上回って可決された。
 これにより、ルセフ大統領は停職処分となり、ミシェル・テーメル副大統領(ブラジル民主運動党:PMDB)が暫定的な大統領に就任した。今後は、最高裁長官が裁判長となり、ルセフ氏を被告として最大180日間上院で審議され、3分の2(54人)以上の賛成が得られた場合、弾劾が成立することになる。
 弾劾法廷の設置に賛成した55名は罷免に肯定的とみられることに加え、17日に行われた労働党の全国執行部会議でルセフ氏に対する批判がなされたことを受け、反対票を投じた22名の一部も賛成に回る可能性があるとされることから、事実上、ルセフ氏は大統領の職を解かれる可能性が高まっている。
 ブラジル史上最高齢の75歳で就任したテーメル暫定大統領は、PMDBの党首で、弁護士やサンパウロカトリック大学の法学部教授、下院議員、下院議長などを歴任し、2011年1月に発足した第1次ルセフ政権から副大統領を務めてきた。
 暫定政権発足に伴い、閣僚人事も発表された。ルセフ政権で2015年1月から農業大臣を務めたカティア・アブレウ氏は解任され、後任にマットグロッソ州選出のブライロ・マッジ上院議員(進歩党)が就任した。また、ブラジルきっての通貨政策通として内外から手腕が高く評されているエンヒッキ・メイレーレス氏(元中央銀行総裁)の財務大臣抜擢にも注目が集まっている。

【ブライロ・マッジ新農業大臣の略歴】
 ブライロ・マッジ氏は1956年生まれの59歳で、2003〜2010年にマットグロッソ州知事を務め、2011年以降は同州選出の上院議員として活動してきた。
 マットグロッソ州を中心として大豆やトウモロコシを生産・集荷する世界最大級の民間穀物生産企業アマッジ社の創設者で「大豆王」の異名を持つアンドレ・マッジ氏の息子でもある。2009年にはフォーブス誌の「世界で最も影響力のある指導者」の一人にも選出された経歴の持ち主である。
新大臣のブライロ・マッジ氏(マッジ氏のホームページより引用)
新大臣のブライロ・マッジ氏(マッジ氏のホームページより引用)
【米元 健太 平成28年5月19日発】
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