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フィードロット飼養頭数は減少も、なお高水準を維持(豪州)

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 豪州フィードロット協会(ALFA)は8月12日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)と共同で四半期ごとに実施している、全国フィードロット飼養頭数調査結果(2016年4〜6月期)を公表した。これによると、2016年6月末のフィードロット飼養頭数は91万967頭(前年調査比4.8%減、前回調査比0.4%減)と、前年調査時こそ下回る結果となったものの、前回調査時からの減少はわずかなものとなっており、歴史的にはなお高い水準にある。
 飼養頭数を州別に見ると、いずれの州でも前年調査時を下回ってはいるものの、主産地であるクイーンズランド州では、前回調査比3.9%増と増加に転じており、世界的な穀物価格安による穀物肥育コストの低下に伴う、フィードロット導入意欲の高まりがうかがえる結果となった(表)。
表(州別飼養頭数)
 その一方で、降雨による順調な牧草生育を受けて、牧草肥育農家も飼養意欲を高めていることから、肥育もと牛の調達で両者が競合し、肥育もと牛価格が過去に類を見ないほど高騰しており、今後はフィードロットに回る肥育もと牛の不足が懸念されている。
 同期間のフィードロットの出荷頭数は、これまで滞留していた穀物肥育牛が順次放出されたことを受け、71万2504頭(前年同期比3.1%増、前回調査比12.8%増)となった(図)。
 また、穀物肥育牛肉の2015/16年度(7月〜翌6月)輸出量は26万8504トン(前年度比7%増)となり、ここ10年では最高となった。国別に見ると、日本向けは、米国の生産回復を受け、米国産と競合する加工用肉は減少したものの、ブリスケット(ばら)は前年度比2割近く増加したことで、全体では同1%増となった。韓国向けは、ブレード(うで)やばらに対する需要の高まりから、同2割以上の増加となった。
図(出荷頭数の推移)
【竹谷 亮佑 平成28年8月22日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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