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大豆輸出税の引き下げ延期を正式に決定(アルゼンチン)

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 世界有数の大豆輸出国であるアルゼンチン政府は1月2日、2016年10月3日に明らかにしていた大豆関連の輸出税率引き下げ延期について正式に決定し、官報に掲載した(参考)。これによると、事前に示された延期案のとおり、2017年の大豆関連の輸出税は据え置きとし、2018〜2019年に毎月0.5%ずつ削減する(表1)。
 同国の2016/17年度(9月〜翌8月)の大豆作付面積については、輸出税の引き下げの延期や先行き不透明感を受けて、減少が確実視される一方、競合するトウモロコシの作付面積は増加すると予測されている(表2)。しかしながら、今回の決定により今後の大豆政策の方針が明確になったことから、2017/18年度以降、大豆の作付面積は回復するとみられている。

 マウリシオ・マクリ大統領は2015年12月の就任直後に、大豆関連の輸出税を国内の税収不足の懸念を考慮して段階的に引き下げる方針を示していた。しかしながら、想定より国内経済の回復が遅れていることから、引き下げの延期を決定した。国家統計院(INDEC)によると、アルゼンチンの2016年第3四半期の実質GDP成長率は前年同期比3.8%減と、第2四半期の同4.0%減に続いてマイナス成長が続いている。高止まりするインフレや財政赤字が拡大する中、マクリ政権は2016年12月26日、アルフォンソ・プラットガイ財務・金融大臣を解任し、財務・金融省を財務省と金融省に分離することを決定した。アルゼンチン経済の再建が軌道に乗るには、もうしばらく時間を要するとみられている。
表1
表2
【米元 健太、丸吉 裕子 平成29年1月10日発】
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