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政府の備蓄砂糖放出や国内の増産に伴い、砂糖輸入量が減少(中国)

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最終更新日:2017年1月30日

砂糖輸入量は前年同月比でおよそ6割減

 2016年12月の中国の砂糖輸入量は、21万7000トン(前年同月比56.7%減)であった(図)。これは、政府による備蓄砂糖(注)の放出に加え、国内砂糖生産量の回復が影響しているものとみられる。
図

2016年10月以降、政府は備蓄砂糖を放出

 中国政府は2016年10月、備蓄砂糖の国内市場への放出を開始した。これまで、10月と11月の2回の入札で30万8000トン、12月30日の3回目の入札で9万トンの合計39万8000トンが売り渡された。
 中国砂糖協会(CSA)は、2016/17年度(10月〜翌9月)に200万トン程度、2017/18年度も同程度の政府備蓄砂糖の放出を見込んでいる。

2016年12月末現在の生産量は前年同期比2割増

 一方、CSAが発表した2016年10〜12月の生産実績報告によると、砂糖生産量は精製糖換算で230万トン(前年同期比19.9%増)と大幅に増加した。これは、サトウキビおよびてん菜の栽培面積拡大により、甘しゃ糖が152万トン(同26.6%増)と大幅に増加し、てん菜糖も77万トン(同8.4%増)とかなり増加したことによる。なお、CSAは同年11月時点で、2016/17年度の砂糖生産量を1000万トン(前年度比15.1%増)と見込んでいる。

 中国はインドネシアに次ぐ世界第2位の砂糖輸入国であることから、同国の需給動向が国際砂糖需給に与える影響が注目される。

(注)政府は国内砂糖価格の適正化を図るため、1991年から一定量の砂糖を備蓄用として買い付けるとともに市場へ放出する砂糖備蓄制度を開始した。

【丸吉裕子 根岸淑恵 平成29年1月30日発】
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