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2017年の肉牛および牛肉生産見通し〜NCBA年次会合から(2)〜(米国)

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 農業調査会社であるキャトル・ファックス社は、テネシー州ナッシュビル市で開催された全国肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)の第120回年次会合で、2017年の肉牛および牛肉生産見通しに関するセミナーを開催した。同社は、1968年に設立され、肉牛生産者を中心とした会員の会費で運営されており、運営方針などは、肉牛生産者などで構成される理事会で決定される。

 セミナーの冒頭、同社のランディー・ブラハCEOは、米国農業が歴史上最も価格変動の激しい時期を経験しており、牛の価格は、2012年の大干ばつにより2013年に高値となった後、2016年には43%下落しており、他の品目の価格も大幅に下落しているとした。また、同CEOは、現在、米国の牛の飼養頭数が増えており、翌年も増加が続くと見込まれているものの、干ばつの際に大規模と畜場が廃業した影響でと畜能力が足りなくなっており、今後、大きな問題となる可能性を指摘した。と畜能力不足によって出荷が遅れることにより、生体重が重くなりすぎるとパッカーからペナルティを課せられることから、最終的には生産者の収益低下につながることが危惧されている。

 ケヴィン・グッド上席アナリストによる米国の肉牛および牛肉の生産見通しは、以下の通りとなっている。
(1)雌牛および子牛頭数
 米国の牛の総頭数は、2014〜2016年の3年間に約500万頭増加し、2017年1月1日現在9358万頭となった。この間、肉用成雌牛頭数は、220万頭増加し、同3121万頭となった。成雌牛頭数は、2018年までにさらに40万頭増加し、2010年当時の水準に近い3160万頭になる可能性がある。2017年の肉用未経産牛の繁殖牛群への組み入れと成雌牛の淘汰は、前年並みの水準にとどまると見込まれる。繁殖牛群は、2020年までの間、拡大基調から維持・減少基調への転換の途上が続くものと予想される。2017年は、依然として牛群拡大基調が続くと見込まれるため、1月1日現在の肥育もと牛と子牛の供給頭数は、前年同期を110万頭上回る2700万頭と予想されている。地域別には、前回の干ばつの影響が最も大きかったテキサス州、オクラホマ州を中心とする中南部での頭数回復が急速に進んでおり、ネブラスカ州など中西部がこれに続いている。

(2)と畜頭数
 2017年1月1日現在のフィードロットにおける牛飼養頭数は、前年並みとなった。2017年のフィードロットへの導入生体重は、干ばつの解消による草地の回復や畑作農家が中心となる育成業者の小麦畑などの生育が順調なことから、前年より増加すると見込まれる。フィードロットは、収益性向上のために導入・出荷を活発に行うと見込まれており、中でも未経産牛の導入が増えると見込まれる。これにより、2017年のと畜頭数は、前年より85万頭多い2550万頭と見込まれる。フィードロットでの回転が加速されるため、出荷生体重は、1〜2ポンド(0.45〜0.9キログラム)軽くなると見込まれる。肉用成雌牛のと畜が増えると見込まれることから、成雌牛と成雄牛の2017年の合計と畜頭数は、前年を7%上回る640万頭と見込まれる。以上の結果、2017年の牛肉生産量は、前年を3.9%上回る約1200万トンと見込まれる。
一方、2012年の干ばつによる牛の頭数減少に合わせ、と畜処理能力が2015年までの間に年間500万頭分減少しており、現在のところ能力を増やす計画がないことが、今後の問題となる可能性がある。

(3)生体牛価格
 牛の頭数が増えることから、2017年の生体牛価格は、2016年よりもさらに安くなることが見込まれ、肥育牛で生体重100ポンド(約45キログラム)当たり平均110ドル(98〜124ドル)、750ポンド(約342キログラム)の肥育もと牛で同130ドル(120〜140ドル)、550ポンド(約250キログラム)の肥育もと牛で同150ドル(135〜165ドル)、廃用成雌牛で同65ドル(55〜75ドル)となると見込まれる。純粋種未経産牛の場合、550ポンドで肥育もと牛の1.5〜1.65倍の価格となる。

(4)牛肉消費量
 米国の年間1人当たり牛肉消費量は、2017年には前年より1.9%多い約25.9キログラムとなると見込まれ、2020年までにさらに0.9〜1.8キログラム増加することが見込まれる。
【調査情報部 平成29年2月8日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4397



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