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酪農産業をめぐる諸課題 〜IDFA年次会合から(3)〜(米国)

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 1月29日(日)から2月1日(水)にかけて、フロリダ州オーランド市で国際乳食品協会(IDFA)の年次会合が開催され、主催者によると1100人を超える酪農・乳製品関係者が参集した。
 同会合は、参加者らの意見交換の場としての側面がある一方、10以上のセッションが開催され、最近の米国酪農産業をめぐる諸課題について専門家らによる議論が交わされた。このうち、1月31日(火)に開催されたセッションの概要について、以下の通り報告する。

酪農マージン保護プログラム(MPP)の改善点

2014年農業法によって創設された酪農マージン保護プログラム(MPP)に対する評価や改善点について、ウィスコンシン大学マディソン校のマーク・ステファンソン酪農政策分析部長による司会の下、4名のパネリストが意見を交わした。
 
(パネリスト)
・ティファニー・ラメンドーラ氏:Blimling and Associates社(ウィスコンシン州、企業経営コンサルタント会社)、リスクマネジメント・ソリューションズ上席部長
・サム・ミラー:BMOハリス銀行、農業担当部長
・ジョン・ニュートン氏:アメリカン・ファーム・ビューロー・フェデレーション(AFBF)、市場戦略情報部長
・クリストファー・ノーブル氏: Noblehurst Farms社(ニューヨーク州、酪農)、共同経営者

 酪農経営に携わっているノーブル氏から、「MPPはセーフティネットとしての意義はある」との意見があったものの、その後は総じて否定的な発言が多く、「経営状況は個々の農家によって異なるのに、現在のMPPには個々の状況に対応し得る柔軟性が備わっていない」、「補?金の発動を左右するマージン算定式が全国一律であり、地域によって飼料の配合比率が異なるということが加味されていない」などの意見が相次いだ。こうしたMPPの代替としては、酪農経営収益保険(LGM-Dairy)があるものの、仕組みの複雑さが課題として挙げられた。
 ただし、セッションの最後にパネリストを対象に行われた今後の方針に関する採択では、ほぼ全員が「MPPやLGM-Dairyの柔軟性を高める」を選択し、「より大きな予算が必要となるが、MPPなどを廃止して新たな補助金制度を創設する」のではなく、セーフティネットとしてのMPPを継続しつつ、上述のような課題を解決していくべきとの主張がみられた。
セッションの様子(3)(左から順に、ステファンソン氏、ノーブル氏、ミラー氏、ラメンドーラ氏、ニュートン氏)
セッションの様子(3)(左から順に、ステファンソン氏、ノーブル氏、ミラー氏、ラメンドーラ氏、ニュートン氏)

米国農業における移民労働力

 米国農業における移民労働力という議題に対し、カリフォルニア大学デービス校のフィリップ・マーティン教授による司会の下、2名のパネリストが意見を交わした。

(パネリスト)
・ハイメ・カスタネーダ氏:全米生乳生産者連盟(NMPF)、副会長
・ブルース・ゴールドスタイン氏:Farmworker Justice社、社長

 冒頭、マーティン氏による現在の米国農業の労働力と移民の概要に関する解説があった。これによると、メキシコからの不法移民は減少傾向にあるものの、合法移民は増加傾向にある。また、農業部門の中では、酪農は、就労移民数はそれほど多くないと思われる一方、支払い賃金は、果物、穀物、花き、野菜に次いで5番目に多い産業である。
 また、農業従事者人口の減少と高齢化の中で、酪農家が取り得る戦略として、(1)雇用労働者の待遇改善、(2)生産性を向上させる機械の導入、(3)投資の促進と雇用労働者の削減などが挙げられた。
 米国の酪農生産現場における移民労働力の現状については、カスタネーダ氏が「生乳生産現場の多くが移民労働力に支えられている」と言及し、その重要性があらためて確認された。また、同氏は昨今のトランプ政権の移民政策に触れ、「NMPFは今後ともトランプ政権や議会と協力して最上の解決策を模索するつもりである」とした。
セッションの様子(4)(左から順に、カスタネーダ氏、ゴールドスタイン氏、マーティン氏)
セッションの様子(4)(左から順に、カスタネーダ氏、ゴールドスタイン氏、マーティン氏)
【調査情報部 平成29年2月21日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9533



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