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H7N9亜型のHPAIおよびLPAIの発生が相次いで確認(米国)

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 この冬、鳥インフルエンザ(AI)は、世界各地で猛威を振るっており、日本でも多く発生している。米国では今年に入ってから2月末までAIの発生はなかったが、3月4日および16日に、テネシー州リンカーン郡でH7N9亜型の高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の発生が確認された。また、テネシー州では、3月9日に同亜型の低病原性鳥インフルエンザ(LPAI)の発生も確認された。
同亜型のAIの発生は、3月16日以降、隣接するアラバマ州、ケンタッキー州、ジョージア州でも確認された。3月6日にウィスコンシン州で確認されたH5N2亜型のLPAIを合わせると、今年に入ってから3月30日までに12例のAIの発生が確認されている(表1、図1)。
 なお、今般米国で発生が確認されているH7N9亜型のウイルスは、中国で流行し、ヒトへの感染事例も確認されているH7N9亜型のウイルスとは全く異なるウイルス(北米野鳥系統)であることが、米国農務省の遺伝子検査で判明している。
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 特に、アラバマ州ではHPAIの発生はないものの、LPAIの発生が同州北部で6例確認されており、蚤の市で売られていたホロホロ鳥や2件の裏庭養鶏も含まれている。(表1、図2)
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 HPAIとLPAIの違いは、端的に言えば、家きんにおける病原性の違いであり、HPAIは致死率が高いが、LPAIは全く症状を示さないケースが多い。ただし、LPAIはHPAIに変異する可能性があることから、HPAIと同様に発生農場での家きんの殺処分や周辺農場の検査などの厳しいまん延防止措置が実施される。
 このため、LPAIは、疾病の発見という観点からは、通常とは異なる高い致死率が観察されることが多いHPAIとは異なり、早期に発見することが困難なため、発見された時点で既に周辺農場にも感染が広がっていることが多く、この点ではHPAIよりやっかいな疾病とも言える。
 このため、米国でも日本と同様に、健康に見える家きんからもサンプルを採取して検査を実施するアクティブサーベイランスが実施されており、今般確認された事例の多くが通常の出荷前検査や販売前検査において確認されている。また、バイオセキュリティレベルが商用種鶏農場と比較して、一般的に低いとされる裏庭養鶏農場などでもLPAIが発見されており、これらの発生州では、蚤の市などでの家きんの販売や、品評会、交換会などのための家きんの集合を禁じる旨の指令を発出し、さらなる感染拡大を防ぐ対応を講じている。

 各事例の発生原因を調べる疫学調査は鋭意進められており、既にバイオセキュリティ上の軽度の違反などが見つかっているとのことであるが、これら調査結果が判明するのには一定程度の時間を要する。今般の一連の発生では、同じ亜型のHPAIとLPAIが近接して発生しており、ほぼ全てが肉用種鶏農場である。ミシシッピ渡り鳥航路(Mississippi Flyway)において、野鳥から家きんへの感染が立て続けに起きたという推測が一般的であるが、LPAIは高病原性化することが知られている。

 なお、現在、日本は米国産家きん肉/卵や生きた家きん(初生ヒナなど)の輸入を制限しているが、日本と米国の政府間で設定されている家畜衛生条件に基づき、下表のような地域主義を導入した措置を講じている。
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【調査情報部 平成29年4月6日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4397



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