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輸入牛肉に対する無税枠を新設(メキシコ)

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 メキシコ経済省は2017年3月1日付け官報で、国内の牛肉市場の安定化を図るため、2017年3月2日から12月31日までの間、輸入牛肉(注)に対して20万トンの無税枠を設けることを公表した。
 今回の無税枠新設により、貿易協定を締結していない国などからの牛肉の輸入機会が拡大され、国内の牛肉流通量が増加することで、牛肉価格の高騰が抑制されるとみられる。なお、この無税枠は、輸入申請者ごとにそれぞれ3万トンを上限に割り当てられる。
(注)対象となるHSコードは、0201.10.01、0201.20.99、0201.30.01、0202.10.01、0202.20.99、0202.30.01(冷蔵または冷凍の枝肉または骨付きもしくは骨抜き部分肉)。

  同官報によると、2016年12月時点の牛肉価格は、米国への牛肉輸出の増加などによる需給のひっ迫により、2011年比で55.19%上昇した。また、メキシコ税関管理局によると、2016年の牛肉輸出量は、前年比13.5%増の18万3000トンと増加し、このうち米国向けが9割以上を占めている(図)。
170407 海外情報図(メキシコ)

牛肉生産量は増加傾向で推移

 メキシコ連邦政府農牧農村開発漁業食糧省(SAGARPA)によると、2016年の牛肉生産量は、前年比1.6%増の187万9000トンとなった(表)。米国農務省(USDA)は、増産要因について、飼料穀物価格安などによる肥育の長期化により、1頭当たり生体重が増加していることに加え、メキシコペソに対する米ドル高による輸出増や牛肉輸出先の多様化が増産意欲を刺激しているとしている。
 州別に見ると、最大の牛肉生産州であるベラクルス州が前年比1.3%増の25万2000トン、以下、ハリスコ州が同6.3%増の21万7000トン、チアパス州が同0.7%増の11万6000トン、サンルイスポトシ州が同17.5%増の10万3000トンと続いている。
170407 海外情報表(メキシコ)
【渡邊 陽介 平成29年4月7日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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