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2016/17年度の大豆成約率は前年同期比大幅低下(ブラジル)

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 ブラジルの現地農業調査会社は5月5日、2016/17年度(10月〜翌9月)の同国産大豆の4月末時点での成約率が約50%であり、前年同期の67%や過去5年平均の65%を大幅に下回っていると発表した。地域別にみると、最大産地のマットグロッソ州は前年同期の70%を下回る62%、生産量2位のパラナ州は前年同期の53%を大きく下回る33%にとどまっている。
 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)によると、2016/17年度の大豆生産量は、生育期の11〜12 月に適度な降雨を主産地で記録したことを受けて、前年度比15.4%増の1億1016 万トンと見込まれている(図1)。
図1
 また、大豆価格はこうした増産見込みを受け、2016年12月以降前年を下回って推移している。2017年4月5日には今年に入ってからの最安値となる60キログラム当たり59.76レアルと2014年10月以来2年半ぶりに60レアルを下回り、その後上昇を続けるものの、5月8日現在60キログラム当たり64.71レアルにとどまっている(図2)。成約率低下の背景には、こうした値動きに対して、農家が慎重に売り時を見定めていることがある。農家の売り控えの影響で今後も大豆価格は上昇していくのではないかとの見方がある一方、売り先の決まらない大豆を保管するための貯蔵能力不足が懸念されており、今後も動向を注視する必要がある。
図2
【佐藤 宏樹 平成29年5月10日発】
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