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米国産牛肉の中国向け輸出条件に合意し、約14年ぶりに輸出が再開(米国)

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 米国産牛肉の中国向け輸出については、既報(2017年5月22日発海外情報)のとおり、米中両政府から遅くとも7月16日までに解禁されるという発表があったが、6月12日、米中両国は輸出条件に合意した旨を条件の詳細とともに公表した。これにより、2003年12月以降停止していた米国産牛肉の中国向け輸出は、約14年ぶりに再開される運びとなった。
 また、輸出条件の有効日は5月24日以降となっており、6月19日現在で既に認定されている6つの食肉処理施設からは直ちに出荷可能な状況にあると考えられ、その他の食肉処理施設についても、対中輸出証明プログラム(EVプログラム)への対応が整い次第、順次輸出が開始されることとなる。
 
  輸出可能な牛肉製品は、30か月齢未満の牛由来の;
 − 骨なし・骨付き牛肉
 − 内臓のうち、腎臓、肝臓、第三胃(Omasum)(その他の内臓は不可)
 − 横隔膜(Inside skirt, Outside skirt, Hanging tender)
 − ホホ肉、頭肉、舌、唇
 − 足、腱、牛骨
 − テール肉
 − バックストラップ(腰最長筋の一部)
 − 被膜組織(Tunic tissue)
 − ひき肉(Ground Beef:食道を除いた部位を用い、米国農務省食品安全検査局(USDA/FSIS)の
    規定に沿って製造されたもの。くず肉などに由来するものは不可。)
 
であって、対中EVプログラムへの適合が米国農務省農業マーケティング局(USDA/AMS)によって認定された食肉処理施設で処理された製品とされている(上記の牛肉製品であれば、加熱などの処理を施した上での輸出は可能であるが、牛肉加工品は輸出不可。)なお、牛肉製品は輸出されるまでの間、特定され管理された状態に置かれるといったことがプログラム上担保されている。
 
  また、牛肉製品の由来する牛については、
(1) 米国で生まれ、米国内で飼育され、米国内でと畜された牛、又は
(2) カナダ又はメキシコから輸入され(子牛)、米国内で飼育され、米国内でと畜された牛、又は
(3) カナダ又はメキシコから輸入され、米国内のと場に直行し、と畜された牛(いわゆると場直行牛)
 
とされている。そして、(1)の場合には、固有のIDにより出生農場まで追跡可能であること、(2)や(3)の場合には、輸入直後に導入された農場や入国場所(port of entry)まで追跡可能であることが求められている。
 
 これらの条件の他、製品の保管又は輸送中の温度管理(チルドは0〜4℃、フローズンは-15℃以下)やラベル表示に関する条件があるが、FSISによれば中国側が米国の電子証明書様式を受け入れなかったことも判明している。
 また、同局によると、中国の規則により使用が禁止されている成長促進物質、飼料添加物及びその他の化合物については、製品中に含まれてはならないと規定されており、万一、中国での着地検疫において確認された場合には通関が認められず、米国への返送又は焼却などによって処分されるとのことである。これらの輸出条件や認定施設の詳細については、同局のウェブサイトに掲げられている。
 
 なお、本件の公表にあたり、USDAのパーデュー長官は以下のようなコメントを発表している。
「本日は米国にとって、特に中流階級層の人口が増え続けている巨大なマーケットへのアクセスを再び手にした米国の牛肉生産者にとって、非常に素晴らしい一日となった。トランプ大統領は、選挙に勝利して以来、新たな気運をもたらし、楽観的にさせ、そしてこの数年間見ることのできなかった結果を米国の農家にもたらしてくれた。今回の合意は非常に素晴らしい成果だ。ロス商務長官、マヌーチン財務長官、ライトハイザー米国通商代表部代表、そして我々USDAの担当者の懸命の働きに対し賛辞を贈りたい。彼らの粘り強く献身的な姿勢がなければ、今回の合意は成し得なかったであろう。中国国民が間もなく、もっと食べたいと思う美味しい米国産牛肉に接することを私は確信している。」
 
 本件について、オクラホマ州立大学のエコノミストであるDerrell Peel氏が、「トレーサビリティの条件を満たすことのできる牛は米国全体の10%程度ではないか」とコメントしているとおり、牛肉製品が由来する牛の出生までを追跡できるような連邦制度は存在していないことから、今回の輸出再開が米国の牛肉関係者に直ちに広く恩恵をもたらすとは考えにくい。
 一方で、世界最大の人口を有し、中流階級層の人口も世界で最も増えている同国のここ数年間の動きを見ると、2012年に2億7500万米ドルであった輸入額は、2016年には25億米ドルまで増加し、既に世界トップクラスの輸入国になっており、牛肉輸入量は今後も増え続けると考えられる。この有望な市場にアクセスするために、牛肉生産者などがトレーサビリティなどの条件を満たすための体制を整備しようと考えるのは自然であり、今般の輸出再開は今後、中長期にわたって米国の牛肉生産者に恩恵をもたらすであろう。
【調査情報部 平成29年6月20日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9533



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