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欧州のでん粉業界、英国のEU離脱交渉に関する声明を発表

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最終更新日:2017年6月28日

 欧州のでん粉業界団体であるスターチ・ヨーロッパは6月9日、6月以降、英国のEU離脱交渉が実施されることを踏まえ、声明を発表した。
 
 はじめにスターチ・ヨーロッパは、英国のEU離脱の表明について、「残念である。EUと英国の間のビジネスを維持するため、英国がEUを離脱したその日から、両者の間で正式な貿易協定が締結されるまでの過渡的な協定が結ばれることを求める。」として、英国のEU離脱への失望と、代替し得る協定の必要性を訴えている。
 
 また、スターチ・ヨーロッパは、EUのでん粉業界における英国の位置づけについて、原料については、「スターチ・ヨーロッパ加盟企業が有する、EU域内75のでん粉製造工場のうち、4工場は英国にある。英国で製造されるでん粉製品は、そのほとんどが英国国内で生産された小麦を原料としているが、他のEU諸国で生産された穀物や天然でん粉(原料農産物はトウモロコシ・ばれいしょ)も原料農産物・原料製品として利用されている。」
 でん粉の需給については、「2016年、EUのでん粉業界は86万8000トン超のでん粉製品を英国に輸出した。英国のでん粉製品生産量は約70万トンであるのに対し、需要量は約145万トンであり、EUのでん粉業界は英国国内の需給ギャップを埋める役割を果たしている。一方、2016年の英国からEUへのでん粉製品輸出量は、約11万5900トンであり、そのうちアイルランド向けが約6万トンと過半を占めている。」として、EUと英国のでん粉産業のつながりの深さを示している。
 
 これらのことから、スターチ・ヨーロッパは、「EUと英国のでん粉業界は高度に一体化されている。もし、EUと英国のでん粉製品の貿易が、貿易障壁により、深刻な混乱状態に陥れば、市場の不均衡が顕在化し、EUのでん粉産業の構造に深刻な影響を及ぼすことになる。」として、重大な懸念を示している。
 そのため、スターチ・ヨーロッパは、自らも会員である食品・飲料産業関連団体、フードリンク・ヨーロッパが3月に発表した声明を引用し、「ビジネスにもたらす不確実性や、起こり得る貿易上の混乱の最小化と、新たな協定への移行を求める。」としている。
 
 さらに、スターチ・ヨーロッパは、「EU域外の国と締結された自由貿易協定(FTA)における関税割当―すなわちEUベトナムFTAにおけるタピオカでん粉の輸入関税割当―の取り扱いをどのようにするか懸念を有しており、今後のEUと英国の交渉において明確化を求める。また、将来締結されるEUと英国の貿易協定において、厳格で一貫性のあるでん粉製品の原産地規則が適用されるとともに、両者の間のさまざまな規則上の相違が最小化されることを求める。」として、現在および将来の貿易協定に関連した、EUでん粉業界としての懸念と要望を表明している。
 
 最後にスターチ・ヨーロッパは、「今後の交渉結果に応じて、より詳細な声明を発表する。」としており、今後も、英国のEU離脱交渉に強い関心を持ち続けていくことをうかがわせている。
 
 
【根本 悠 平成29年6月28日発】
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9806



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