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8年ぶりに口蹄疫の発生を確認(コロンビア)

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 コロンビア農業・地方開発省(MINAGRI)は6月24日、同国内で8年ぶりに口蹄疫の発生が確認されたことを国際獣疫事務局(OIE)に報告した。同省のアウレリオ・イラゴリ・バレンシア大臣は同日の会見で、ベネズエラと国境を接するアラウカ(Arauca)県の農場で飼養していた136頭の牛のうち7頭から、口蹄疫(O型)の陽性反応が確認されたと言及した。同国の口蹄疫ステータスは、ワクチン接種清浄地域であったが、OIEは、そのステータスを一時的に停止している(図)。
 
 MINAGRIは口蹄疫のさらなる感染拡大を防ぐため、国立農業研究所(ICA)と連携して、緊急対策を即時実行している。併せて、感染源を根絶するため、発生農場および近隣6農場の全ての牛(297頭)をOIEのプロトコルに従って殺処分し、埋却処理を進めていることも報告された。
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写真 土壌の表面に石灰が散布された後、シートで覆われた埋却用の穴(ICAのホームページより引用)
写真 土壌の表面に石灰が散布された後、シートで覆われた埋却用の穴(ICAのホームページより引用)
 ICAによると、コロンビアでは、1950年にベネズエラから伝播するかたちで、初めて口蹄疫が確認され、深刻な経済的被害が発生した。直近では、2004〜2009年にかけて、合計5件の発生が確認されたが、2009年5月28日以降、OIEからワクチン接種清浄地域として認定されていた。
 今回の発生を受け、国境を接するブラジルやエクアドル、ベネズエラでは、人、物、車両の移動にかかる防疫体制の強化に動いている。特に、ブラジルでは、口蹄疫ステータスの引き上げを目指している最中とあって、コロンビアでの今回の発生について懸念の声が聞かれている。
【米元 健太 平成29年6月30日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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