[本文へジャンプ]

文字サイズ
  • 標準
  • 大きく
お問い合わせ
alic 独立行政法人農畜産業振興機構
畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 海外情報 > 2017年 > 豚肉の短期的需給見通しを公表(EU)

豚肉の短期的需給見通しを公表(EU)

印刷ページ
 欧州委員会は2017年7月12日、農産物の短期的需給見通しを公表した。このうち2017年の豚肉需給見通しの概要を以下のとおり紹介する。
 

豚肉生産量、後半に盛り返して0.6%減

 2016年12月の豚飼養頭数調査によると、EUの繁殖母豚頭数は前年比1.6%減となり、2年続けて約2%の減少となった。一方、初妊豚の頭数は前年の同6.5%減から同1.6%増と増加に転じている。
 繁殖母豚頭数の減少を反映して、2017年第1四半期(1〜3月)の豚肉生産量は、前年同期比1.4%減となった。加盟国別に見ると、オランダとスペインを除いた主要生産国で減少している。
 しかし、豚価が高く生産者の増産意欲もあることから下半期は増加し、2017年を通じた減少率は同0.6%減まで緩和し、生産量は2340万トンになると見込まれている。
 また、2018年の豚肉生産は、安定的に推移すると予測されている。
 

輸出量、高価格で9%減

 EUの豚肉輸出量は、中国の強い需要により増加してきたが、2017年4月は前月比24.2%減、前年同月比31.3%減と急に落ち込んだ。この要因としては、1つ目は、EU産豚肉価格の上昇による輸出競争力の低下が挙げられている。2つ目は、最大の輸出先である中国向けの減少であり、同月の中国向けの輸出は前年同月比56.8%減となった。ただし、中国向けの急減は同国への最大の供給国であるドイツの2大輸出業者が中国向け輸出の一時停止処分を受けたという要因もある。なお、このドイツの2社は、現在は中国向け輸出を再開している。こうして、4月の中国向け輸出量に占めるEU加盟国のシェアは、スペイン20.6%、オランダは8.2%、ドイツは8.1%(2017年第1四半期の21.5%から激減)、デンマークは7.5%となった。ドイツは首位から5位に転落した。
 4月の中国市場の競合国の状況を見ると、カナダは前年同月比64.2%増の2万300トンとなり、スペインに次いで第2位の輸出国(シェア19.1%)となったが、中国で禁止されている成長促進剤のラクトパミンが5月後半に豚足から検出されたため、シェアが低下する可能性がある。また、ブラジルは、食肉スキャンダルに伴う豚肉の輸入制限が3月に解除されたものの、中国向けは前年同月比59.3%減と回復していない。なお、EUから中国以外の輸出先への輸出は、2017年第1四半期に大きく拡大し、日本向けは前年同期比4.2%増、香港向けは同32.7%増、韓国向けは同35.0%増、米国向けは同12.8%増、豪州向けは同6.0%増となったが、4月はその傾向に変化が見られ、これら5カ国向けの輸出は前月比25.1%減、前年同月比13.5%減となった。
 2017年通年の豚肉輸出量は、世界の豚肉需要が前年同様と見込まれる中、供給減で域内価格が高いため前年比9%減と見込まれている。なお、EUの減により、米国、カナダ、ブラジルといった他の主要輸出国の競争力が高まると考えられるが、ブラジルについては、同国の食肉スキャンダルの動向次第と見られている。
 また、2018年のEUの豚肉輸出量は、引き続き減少すると予測されるが、生産量が回復するため、減少率は2%程度に低下すると見込まれる。禁輸措置により輸出がストップしているロシア向けについては、アフリカ豚コレラの発生による禁輸措置は2017年末までとなるが、政治的な理由による禁輸措置は2018年末まで続くとされている。
 

豚肉枝肉卸売価格が高騰

 2017年の豚肉枝肉卸売価格は、1月第1週に100キログラム当たり150ユーロ(1万9650円)と前年同期の同126ユーロ(1万6506円)から19.0%高となり、1〜2月は安定して推移していた。ところが、3月中ごろから1カ月で同10ユーロ(1310円)以上も急激に上昇し、6月には同176ユーロ(2万2990円)に達した。これは2013年以降の最高価格である。
 飼料価格は安定しているので、生産者の利益率は改善しているが、主要競合国の豚肉価格は下がっているので、今後の輸出に大きな影響を与えると見られている。
 子豚のEU平均価格も、供給不足から上昇を続けており、4月中旬には前年同月比47.5%高の59ユーロ(7729円)という歴史的な最高値をつけた。その後、5月中旬には季節的要因で下がり、そのまま緩やかに下がりつつある。
 
豚肉枝肉卸売価格

豚肉消費量、わずかに回復

 2016年のEUの1人当たり豚肉消費量は、EU域内の生産量が減少し、輸出が増える中、前年から0.5キログラム減の31.7キログラムとなった。
 2017年は、輸出減から域内の出回り量が増えるため、31.8キログラムとなると見込まれている。また、2018年も同様の傾向でわずかに増加し、31.9キログラムとなると見込まれている。
 
【調査情報部 平成29年7月21日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-8527



このページのトップへ

Copyright 2016 Agriculture & Livestock Industries Corporation All rights Reserved.