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牛マイコプラズマ感染症を確認 〜生乳生産への影響は限定的か〜(NZ)

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 ニュージーランド第一次産業省(MPI)は7月25日、ニュージーランド南島、カンタベリー地方南部の酪農場において、乳用牛1頭がマイコプラズマ・ボビス(Mycoplasma Bovis)に感染したとプレスリリースを発表した。同国では初の症例となる。
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 プレスリリースによると、MPIに感染の疑いが報告されたのは7月17日。その後、同個体はMPIの研究施設に搬送され、同月22日、マイコプラズマ(M.bovis)が検出されたとしている。
 同農場の家畜を検査したところ、14頭に陽性反応があり、それ以外の150頭には、陽性反応はなかったものの疑わしい症状がみられるとしている。また、既に25頭が殺処分されている。感染経路はいまだ不明。
 MPIによると、同農場の系列の16農場の乳用牛について、バイオセキュリティ法に基づき、感染経路が特定されるまでの間、家畜の移動は制限される。16農場のうち、別の1農場からも陽性反応を示す個体が検出されており、9農場は陰性、残りの5農場は判断保留となっている。
 MPIは現在、これら16農場と、それに近接する約60の農場の乳用牛から採取した、生乳および血液のサンプル(2610本)を検査中で、最終的な結果が出るまでには、2〜3カ月を要するとしている。また、バルクミルクテストについても、現在、その結果を待っているところである。

 また、8月23日、感染が確認されたうちの1カ所に隣接する農場から、3例目の発症が確認された。MPIによると、家畜の移動制限が発動される前に、感染が確認された農場から家畜が搬入されたとしている。
 現地報道によると、生乳および血液のサンプル検査の対象となっている約60の農場にまで移動制限が拡大する可能性もあるとしている。また、輸入精液が感染源との報道もあったが、MPIは、8月11日に近隣農家を対象に実施した説明会の中で、こうした見方を否定している。一方で、家畜の移動記録が不十分であるために、感染源の特定が難航しているとも報じられている。

 7月に同国で初となる今日の疾病発生が確認されたことで、一時的にニュージーランドドル安となったが、これは同国の経済にとって、酪農産業の重要性の高さを示すものとなった。また、酪農家の間では、今回が国内初の事例ということもあり、大きな衝撃が走っているとされる。ただし、現地専門家は、これに伴う生乳生産や乳製品輸出への影響は限定的であると見ている。
(注)マイコプラズマは、分類上は細菌とされているが、細菌に見られる細胞壁がないため、細菌とウイルスの中間に位置する微生物ともいわれる。現在、約120種類のマイコプラズマが明らかにされているが、このうち、牛に対して病原性を持つものは、およそ20種類。感染すると、乳房炎や肺炎、関節炎などの症状を引き起こす。
 また、一度感染すると細菌が臓器に定着することが多く、治療は難しいとされる。牛からヒトへの感染はなく、感染した牛の肉や乳を摂取しても、人体への影響はない。

(参考)(独)農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所「家畜疾病図鑑Web」、樋口豪紀「マイコプラズマ性乳房炎の特徴とその検査技術」『MPアグロジャーナル』2010.10 p.17-20
【竹谷 亮佑 平成29年8月25日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9532



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