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2017/18年度夏作物の生産見通しを発表(豪州)

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 豪州農業資源経済科学局(ABARES)は9月14日、2017/18年度(7月〜翌6月)の夏作物の生産予測を発表するとともに、同年度の冬作物の生産予測の見直しを行った(注)。

(注)豪州の夏作物は、9月〜翌年1月に播種、3月〜4月に収穫を行う。冬作物は、3月〜6月に播種、10月〜翌年2月に収穫を行う。また、本発表の段階では、2017/18年度の夏作物の播種期であり、同年度の冬作物については、収穫前である。

【夏作物】ソルガムの生産量、単収の向上により大幅増の見込み

 夏作物については、作付面積は136万ヘクタール(前年度比2.6%増)とわずかな増加にとどまる。一方、単収は、少雨により減少した前年度から一転し、平年並みの降雨により1ヘクタール当たり3.42トン(同18.3%増)と大幅な増加が見込まれることから、生産量は464万トン(同21.3%増)と大幅に増加する見込み。
 品目別に見ると、ソルガムについては、作付面積は60万ヘクタール(同54.4%増)、生産量は単収の向上も加わり184万トン(同80.9%増)と、ともに大幅な増加が見込まれている。ABARESによると、これは前年度に収益性が良い綿実へ転作を進めた生産者が、飼料向け需要の高まりと、最近の乾燥気候を受けて綿実に比べて乾燥に強いソルガムに戻ってきていることが背景にあるとしている。
 一方、綿実は、かんがい設備をもっていない生産者の減少により作付面積は43万ヘクタール(同22.8%減)と大幅に減少が見込まれる。しかし、単収は、かんがいを利用する生産者の割合が増加することで、1ヘクタール当たり3.14トン(同32.5%増)と大幅に増加し、生産量は135万トン(同2.3%増)とわずかな増加を見込んでいる。
 
 

【冬作物】前年度の記録的な生産量から大幅に減少見込

 冬作物については、作付面積は、前回(6月)の予測から26万ヘクタール下方修正され2219万ヘクタール(前年度比1.6%減)、生産量は、379万トン下方修正され3631万トン(同38.8%減)と大幅な減少が見込まれている(表2)。
 冬作物は、2016/17年度は良好な降雨により単収が大幅に増加したことにより記録的な豊作となったが、2017/18度は、6、7月に主産地で降雨に恵まれず、生育が妨げられている。今回の見通しは、今後平年並みの降雨が前提となっているが、向こう3カ月は最大生産地である西オーストラリア州で平年を下回る降雨が見込まれており、今後の天候の動向が注目される。
 
【大塚 健太郎 平成29年9月19日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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