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タイの業界、タピオカチップの安値輸出禁止の方針

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最終更新日:2017年9月20日

 現地報道などによると、タイのタピオカチップ業界は、タピオカチップの低価格輸出を禁止する方針である。
  タイでは、輸出業者が顧客を獲得するための値下げ競争が過熱しており、キャッサバ(生いも)の価格が下落する要因の一つとなっている。

  現在、中国向けにタピオカチップを輸出する業者の中には、生いも価格に換算した場合、農家におけるキャッサバの生産原価である1キログラム当たり平均1.9バーツを下回る同1.3〜1.4バーツで輸出する者もおり、結果的に農家は原料用キャッサバを買い叩かれ被害を被っていた。

  そこで8月20日、タイタピオカ取引協会(TTTA)、タイキャッサバ製品工場協会(TTPFA)、北東タピオカ協会(NTA)は、低価格輸出禁止に関する基本合意書に署名した。TTTAなどは、今後は2カ月に一度、輸出業者に対してタピオカチップの輸出基準価格を公表するとともに、輸出価格が基準価格を下回っていないかなどの検査を厳密に実施するとしており、違反した輸出業者は、これら協会の会員から直ちに除名され、輸出ができなくなる可能性がある。
 この措置により、一部の輸出業者による価格の下落に歯止めがかかることが期待される。


 【参考】
  タイでは、一年間に3000万〜3200万トンのキャッサバを生産しており、そのほとんどが、輸出向けとしてタピオカでん粉やタピオカチップなどに加工される。タピオカチップの年間輸出量は500万〜700万トンで、うち中国向けが99%となっている。



【山下佳佑 平成29年9月20日発】
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