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トラック運転手らのストライキ、砂糖産業への影響(ブラジル)

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最終更新日:2018年6月1日

 
 ディーゼル油価格の値上げに抗議するトラック運転手らが2018年5月21日から始めたストライキ(注1)は、10日目にしてようやく収束される見通しとなった。しかし、物流は依然として滞ったままであり、生活への影響はしばらく続くとみられる。他方、今回のストライキがブラジルの砂糖産業に与えた影響も明らかになりつつある。これまでに分かっている状況は以下の通り。
 
(注1)今回のストライキは、全土の高速道路や主要な幹線道路を封鎖する大規模なものへと発展し、物流網のみならず社会・経済の混乱を招いた。25日に政府が減税や補助金の交付などを発表したものの、一部のトラック運転手らはこれに合意せず、翌日以降もストライキを決行し、5月29日ごろまでほとんどの道路が封鎖された状況が続いた。
 

1.製糖業者

 サトウキビが製糖工場に搬入されない、あるいは生産した製品が出荷できない状況が続いていたことを受け、サンパウロ州にあるすべての製糖工場が2018年5月28日と29日の2日間、操業を停止した。ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)によると、サンパウロ州はサトウキビ生産者約1万4000戸、約150の工場を抱え、ブラジルの砂糖生産量全体の約6割を占める主要産地であることから、砂糖産業に与える影響が大きく、「全体の損失額は1日当たり1億8000万レアル(55億8000万円)(注2)に上ると試算される」とした。
 
(注2)1ブラジル・レアル=31円(31.19円)

2.輸出

 現地報道によると、ブラジル最大の砂糖輸出企業であるCopersugar社は、サントス港にある同社の在庫が底を突きつつあり、「(ストライキによる影響で)海外の取引先との契約が履行できなくなる可能性がある」と懸念を示した。

3.粗糖相場

 世界的な砂糖の供給過剰を背景に低迷が続いていた粗糖価格は、一転して大きく反発している()。ブラジルでストライキが発生した21日、ニューヨークの粗糖先物相場は敏感に反応し、前日比3.8%高の1ポンド当たり12.10セントの値を付け、今年最大の上げ幅となった。その後、ストライキが収束に向かう兆しが見られない状況から供給不安が高まり、じりじりと値を上げ、31日には同12.79セントとなり、V字回復を果たした。ただし、市場関係者は「市場は短期的に混乱したにすぎない。2018/19年度のブラジルの砂糖生産量は、ストライキの影響を受けないだろう」との見方を示し、再び世界的な供給過剰を背景とした下落圧力に直面する可能性を示唆した。
図 ニューヨーク粗糖先物相場の動き
【坂上 大樹 平成30年6月1日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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