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近年のでん粉原料用ばれいしょの収穫面積および生産量、増加傾向で推移(デンマーク)

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最終更新日:2018年6月1日

 デンマーク統計局によると、2017年のでん粉原料用ばれいしょの収穫面積は2万8300ヘクタール(前年比8.0%増)、生産量は135万3900トン(同5.4%増)と、ともに前年を上回る見込みである(図1)。
 デンマークでは、1995年に導入されたEU内におけるばれいしょでん粉の生産割当制度が2012年に廃止されて以降、でん粉原料用ばれいしょの生産量が増加傾向で推移している。
 しかし、ばれいしょでん粉の輸出量は機密情報に分類されているため、公表されていないが、業界関係者によると生産されたばれいしょでん粉の85%程度が輸出されているとのことである。
 
 現地報道によると、2018年1月には、穀物メジャー(注1)である米国のカーギル社とデンマークのでん粉製造企業であるAKV Langholtが共同出資し、2250万ドルをかけ新たなでん粉製造工場を設立することを明らかにしており、2018年中旬の操業を見込んでいる。また、同年5月の現地報道では、KMC社(注2)が6万トン規模のばれいしょでん粉貯蔵庫を年内に建設予定である。 デンマークでは、原料生産量の増加だけでなく、加工および貯蔵能力の増強により、ばれいしょでん粉のさらなる増産が見込まれている。
 なお、2017年に日本が輸入したばれいしょでん粉は、1万4712トンと前年を大幅に上回った。これは、その前年、わが国のばれいしょでん粉の産地である北海道において、度重なる台風などによるばれいしょの減産で、でん粉原料が不足したことなどが影響したと考えられる。輸入先国でみると、デンマーク産が最も多い6536トンとなっている(図2)。

(注1)世界の穀物流通に影響を及ぼす商社。
(注2)ばれいしょでん粉や化工でん粉、ばれいしょプロテインの販売や新製品の開発を行う企業で、でん粉工場をそれぞれ所有する生産者組合(AKM Brande組合、KK Karup組合、AKS Toftlund組合)が共同で設立した。
 
 
【山下佳佑 平成30年6月1日発】
このページに掲載されている情報の発信元
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