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遺伝子組み換えサトウキビ、米国食品医薬品局が安全性を確認(ブラジル)

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最終更新日:2018年8月14日

 ブラジルのカナヴィエイラ技術センター(Centro de Tecnologia Canavieira、以下「CTC」)(注1)は8月6日、米国食品医薬品局(FDA)が同センターで開発した遺伝子組み換え(GM)サトウキビから生産される粗糖・精製糖の安全性および栄養価について、現在流通している非GMサトウキビ由来のものと実質的に同等と判断したと発表した。これにより、GMサトウキビ由来の砂糖が「安全」と評価されるのは、カナダに次いで2例目(自国を除く)となった。
 
(注1)CTCは、サトウキビ関わる研究に特化した研究機関。2011年に民営化し、ブラジル国内の主要な製糖業者が株主となっている。

 CTCが開発したGMサトウキビは、茎を加害するメイチュウ類の一種sugarcane borer(学名Diatraea saccharalis(注2)に対し殺虫作用を持つタンパク質を生成する遺伝子(Bt遺伝子)が組み込まれており、ブラジル国家バイオ安全技術委員会が2017年6月に世界で初めて商業的な栽培を承認した。

 こうした動きの背景には、サトウキビの主要生産地のサンパウロ州などで梢頭部や葉を燃やした後に収穫する焼き畑による収穫が禁止されたことで、害虫による被害を受けやすくなっていることがある。サトウキビを加害する害虫は、ゾウムシ類、カミキリムシ類、カメムシ類なども挙げられるが、メイチュウ類による被害が最も多く、その被害額は40億〜50億レアル(1280億〜1600億円)(注3)に達するとされている。また、昨今の国際砂糖相場の低迷を受け、世界の砂糖輸出量の4割を占めるブラジルでは、さらなる生産性の向上をもたらす技術を積極的に導入し、今後も世界市場で競争優位性を維持したいとの狙いもある。このため、このGMサトウキビは栽培が承認されてから1年余りで、すでにブラジル国内の約400ヘクタールの圃場(ほじょう)で作付けされている。ただし、現在は種苗増殖のために作付けされており、GMサトウキビ由来の砂糖を実際に輸出できるようになるのは、少なくとも3年を要するとみられる。また、世界的に高まるバイオエタノール需要に応えるため、GMサトウキビをエタノール原料として仕向ける可能性もあり、一定量確保することが期待できるのは、さらに先のことになると考えられる。

(注2)ふ化した幼虫が生長点を加害して芯枯れを起こさせたり、茎の食入痕から二次的に赤腐病などの病害を発生させたりするため、収量と糖度低下の大きな原因となる。
(注3)為替レートは2018年7月末日TTS相場の1レアル=32円(31.75円)で換算した。
 CTCの開発責任者は、「国際的に最も厳しい規制機関の一つとして知られるFDAに安全性が認められたことは、CTCにとって誇るべきことだ」と述べ、これを弾みに今後、主要輸出先国の中国やインドのほか、日本へも承認を求めていくとしている。なお、これらの国へ輸出されるものはGMサトウキビ由来の砂糖であり、GMサトウキビはブラジルのみで栽培される予定である。
 
【坂上 大樹 平成30年8月14日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9534



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