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穀物の生産見通しを発表(豪州)

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 豪州農業資源経済科学局(ABARES)は9月10日、2018/19年度(7月〜翌6月)夏作物の生産予測を発表するとともに、2018/19年度冬作物の生産予測の見直しを行った(注)

(注)豪州の夏作物は、10月〜翌年1月に播種、3月〜4月に収穫を行う。冬作物は、3月〜6月に播種、10月〜翌年2月に収穫を行う。また、本発表の段階では、2018/19年度夏作物の播種前であり、2018/19年度冬作物の収穫前である。
 

【夏作物】生産量、ソルガムは増加も、全体では大幅減

 夏作物については、作付面積は、ソルガムは取引価格の上昇により増加するものの、綿実および米で大幅に減少することから、107万4000ヘクタール(前年度比19.6%減)と、大幅な減少を見込んでいる。生産量は、作付面積の減少により、348万9000トン(同16.3%減)と大幅な減少を見込んでいる(表1)。
  品目別作付面積第1位のソルガムについては、飼料向け需要の増加により取引価格が上昇しているため、作付面積は56万8000ヘクタール(同7.0%増)、生産量は155万9000トン(同8.3%増)と、かなり増加すると見込んでいる。ただし、主産地であるクイーンズランド(QLD)州およびニューサウスウェールズ(NSW)州の広範囲で干ばつが発生していることから、今回の予測値が実現するかは、播種期における降雨量に大きく左右されるとしている。
  品目別作付面積で第2位の綿実については、QLD州およびNSW州の干ばつによりダムの貯水率が大幅に低下していることから、かんがいを利用する地域の作付面積が大幅に減少するため、綿実全体の作付面積は25万ヘクタール(同50.0%減)と半減し、生産量は82万トン(同44.5%減)と大幅な減少を見込んでいる。
 また、綿実同様、かんがいを利用する米についても、作付面積は5万4000ヘクタール(同10.0%減)、生産量は55万4000トン(同12.0%減)とかなりの減少を見込んでいる。
 

【冬作物】生産量、干ばつにより大幅下方修正

 冬作物については、作付面積は、QLD州およびNSW州における干ばつにより、前回(2018年6月)から160万ヘクタール下方修正し、1954万7000ヘクタール(前年度比11.6%減)とかなりの減少を見込んでいる(表2)。生産量は、作付面積の減少により前回から445万トン下方修正し、3322万8000トン(同12.5%減)とかなりの減少を見込んでいる。
 地域別にみると、QLD州およびNSW州の生産量は、それぞれ前年度比で46.0%、38.0%の減少を見込んでいる一方、西オーストラリア(WA)州は良好な降雨に恵まれたことから、前年度比11.6%の増加を見込んでいる。
 主要品目別に見ると、小麦は、WA州では単収の増加が見込まれるものの、そのほかの地域では干ばつや少雨により単収の減少が見込まれるため、生産量は1909万6000トン(同10.1%減)とかなりの減少を見込んでいる。大麦についても、小麦同様、WA州では単収の増加が見込まれるものの、その他の地域で減少することから、832万7000トン(同6.7%減)とかなりの減少を見込んでいる。
 
 
【大塚 健太郎 平成30年9月12日発】
このページに掲載されている情報の発信元
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