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2018年穀物肥育牛と畜頭数・穀物肥育牛肉輸出量、ともに過去最高(豪州)

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 豪州フィードロット協会(ALFA)と豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は、共同で四半期ごとに実施している全国フィードロット飼養頭数調査の結果(2018年10〜12月期)をそれぞれ公表した。これによると、2018年12月末のフィードロット飼養頭数は、110万689頭(前年比14.1%増、前回比1.4%減)と、前回調査(9月)からはわずかに減少したものの、前年比でかなり増加した(図1)。これにより、2018年は、初めて1年を通じてフィードロット飼養頭数が100万頭を上回った。クイーンズランド(QLD)州とニューサウスウェールズ(NSW)州を中心に干ばつが発生し、牧草の生育が悪いことから、天候に左右されず安定的に肥育できるフィードロットへの仕向けが増加したことが主な要因となっている。
 
 
 フィードロット飼養頭数を州別にみると、前年比では、西オーストラリア(WA)州を除きいずれの州も増加しており、フィードロット飼養頭数の最も多いQLD州での増加が全体の増加に寄与した。南オーストラリア(SA)州は大幅に増加しているものの、飼養頭数全体に占める割合は4%程度と少ない。一方、前回比では、飼養頭数の多いQLD州とNSW州で減少した(表)。
 
 
 2018年10〜12月の穀物肥育牛と畜頭数は、85万頭(前年同期比19.8%増)と大幅に増加した。2018年第1〜3四半期の穀物肥育牛と畜頭数は、フィードロット飼養頭数の増加率に比べて増加していなかったことから、その分が第4四半期に集中したとみられる。
 この結果、2018年の穀物肥育牛と畜頭数は、299万頭(前年比3.3%増)とわずかに増加し、1991年の集計開始以降、過去最高を記録した(図2)。
 
 
 また、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、2018年の穀物肥育牛肉輸出量は、31万トン(同12.0%増)とかなり増加し、こちらも集計開始以降、過去最高を記録した(図3)。
 輸出先国別に見ると、日本向けは、15万トン(同7.9%増)と、牛肉需要増によりかなり増加した。
 韓国向けは、韓国との自由貿易協定により関税面で有利な米国産に、シェアを2013年から2018年間に約1割奪われているものの、牛肉需要増により、6万トン(同7.5%増)とかなり増加した。
 中国では、豪州産よりも安価なブラジルやアルゼンチンなど南米産牛肉のシェアが、2013年の約3割から2018年には約7割と大幅に拡大しているが、旺盛な牛肉需要により、豪州からの輸出量も5万トン(同86.6%増)と大幅に増加しており、韓国に迫る勢いとなっている。
 
 
【大塚 健太郎 平成31年3月11日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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