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海外のでん粉需給動向

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最終更新日:2010年5月10日

海外のでん粉需給動向

2010年4月

調査情報部

絵で見る世界のでん粉製品需給

 
 

海外のでん粉需給動向

◆タ イ◆

〜タピオカでん粉の輸出価格は上昇傾向〜
 
 2009年におけるタイのタピオカでん粉の輸出量は、前年比43.2%増の174万3000トンと過去最高の水準となった。これは、キャッサバの生産が順調であったことに加えて、タイ政府が担保融資制度に基づき保管していたタピオカでん粉を放出したことなどによるものである。
 
 輸出先別では、中国が最も多く(48万7000トン)、次いで、台湾(31万1000トン)、インドネシア(24万2000トン)、マレーシア(18万6000トン)などのアジア諸国になっている。我が国は11万5000トンと第5位であった。
 
 一方、2009年におけるタピオカでん粉の輸出価格(FOB)の平均は、前年比27.0%安のキログラム当たり0.27米ドルとなった。しかしながら、輸出価格は2009年10月以降、上昇傾向にあり、12月には、前月比6.9%高の1キログラム当たり0.31米ドル、(日本向け単価は、同13.8%高の0.33米ドル)となり、LMC社によると2010年の1月および2月の平均FOB価格は、同0.41米ドルとなっている。
 
 これは、コナカイガラムシによる被害が拡大し、原料であるキャッサバの生産量が当初の見込みより大幅に落ち込んでいるためである。なお、コナカイガラムシによる被害の状況やタイが取り組んでいる対策などについては、本誌の「タイのタピオカ製品をめぐる最新の事情」を参照されたい。(1米ドル=90.43円、平成22年2月平均値)
 
 
 
〜2009年12月の化工でん粉価格も上昇〜
 
 2009年におけるタイのデキストリンおよびその他の化工でん粉輸出量は、前年比1.9%減の70万8000トンとなった。輸出先国別では、日本が最大となっているが、同11.3%減の25万1000トンと減少した。次いで、中国(同63.2%増の11万2000トン)、インドネシア(同32.1%増の6万7000トン)、韓国(同48.4%増の4万4000トン)、台湾(同116.4%増の2万8000トン)とアジア諸国が占めている。
 
 一方、2009年の輸出価格(FOB)の平均は、前年比14.3%安の1キログラム当たり0.54米ドルとなった。しかしながら、タピオカでん粉と同様に、12月には、前月比7.3%高の1キログラム当たり0.59米ドル(日本向け単価は、同9.8%高の0.56米ドル)と値を上げた。
 
 
 

◆米 国◆

〜米国農務省、2009年産のとうもろこし生産予測を下方修正〜
 
 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)が公表した3月の世界農産物需給推計の月次報告によると、2009/10穀物年度(2009年9月〜2010年8月)の米国のトウモロコシの生産予測量は、単収が下方修正されたことに伴い、前月から2000万ブッシェル(1ブッシェル=25.4キログラム)引き下げられ、前年を8.6%上回る131億3100万ブッシェルとなっている。
 
 一方、期末在庫予測量は、輸出向けが競合輸出国の供給増などにより1億ブッシェル下方修正されたことに伴い、8000万ブッシェル引き上げられ17億9900万ブッシェルに上方修正された。USDAは2009/10年度の平均農家販売価格は、前月の予測価格の上値を0.20ドル/ブッシェル下げて3.45〜3.75ドル/ブッシェルになると予測している。
 
 
 
〜とうもろこしの仕向け先としてエタノールが増加、コーンスターチは減少傾向〜
 
 LMC社によると、米国内のとうもろこし仕向先割合は図 のとおりとなっている。2004/05年度と2009/10年度を比較すると、燃料用エタノール向けが15.0%から38.1%へと大きく増加する見込みである。
 
 最大の仕向け先である飼料用は69.6%から50.4%に減少し、コーンスターチ向けも3.1%から2.1%に減少する見込みである。
 
 
 
〜2009年のコーンスターチ輸出量は前年比1割減〜
 
 2009年における米国のコーンスターチ輸出量(2009年)は、前年比10.6%減の10万トンであった。輸出先国としては、カナダが最も多く(3万トン)、次いで、メキシコ(2万トン)、英国(1万8000トン)、日本(8000トン)となっている。
 
 輸出価格(FOB)については、上昇傾向にあり、2009年の平均は前年比1.7%高の1キログラム当たり0.61米ドル、(日本向けは、前年同の0.64米ドル)となっている。
 
 
 
〜2009年の化工でん粉輸出量も前年から減少〜
 
 2009年における米国のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年比7.5%減の37万1000トンであった。減少の要因として、世界的な不況による需要の減少が考えられる。輸出先国としては、コーンスターチと同様、カナダが最も多く(7万5000トン)、次いで、日本(6万トン)、メキシコ(5万1000トン)、ドイツ(3万5000トン)、英国(1万8000トン)となっている。
 
 輸出価格(FOB)については、2009年の平均で、前年比2.4%高の1キログラム当たり0.85米ドル、(日本向けは、前年比1.5%安の0.65米ドル)となっている。
 
 
 

◆E U◆

〜遺伝子組み換えばれいしょについて産業用途限定で栽培を承認〜
 
 3月2日付でEU委員会が公表したプレスリリースによると、遺伝子組み換えばれいしょである「Amflora」の栽培について、用途を限定した上で承認された。承認されたAmfloraの用途は、製紙、繊維などの産業用でん粉向けおよび副産物のパルプの飼料利用となっている。今後は各加盟国が実際に作付けるかどうか選択することとなる。
 
 Amfloraの取り扱いについては、食品用などのばれいしょへの混入を避けるため、(1)作付け、収穫、輸送、保管、出荷すべての段階における分別、(2)Amfloraを作付けた農地における、翌年の非遺伝子組み換えばれいしょの作付け禁止、(3)指定されたでん粉工場への単独の輸送と専用製造ラインでの生産− が義務付けられている。ただし、食品用などへの偶発的な混入は0.9%までを上限に許容されることとなっている。
 
 通常のでん粉には、アミロースとアミロペクチンが含まれているが、Amfloraを原料とするでん粉は、アミロペクチンのみで構成されており、通常のでん粉よりも含有率が20%ほど高い。このため、製紙、繊維などの産業用途に好ましい性質をもつとされている。
 
〜09年のばれいしょでん粉の輸出量は増加、価格は下落〜
 
 EUのばれいしょでん粉の輸出は、原料となるばれいしょが2006年秋に不作であったことおよび2007年からの穀物価格高騰による作付転換が影響して、2007年および2008年は、それぞれ26万9000トン(2004年から2006年の平均比26.3%減)、25万9000トン(同29.0%減)と低い水準であった。
 
 しかしながら、2009年は、ばれいしょの豊作を受けて、前年比58.1%増の41万トンとなっている。相手国別に見ると、中国が最も多く5万7000トン、米国(5万2000トン)、次いで韓国(3万4000トン)、台湾(2万1000トン)、タイ(2万トン)となっている。
 
 価格(FOB価格)については、06年下期から上昇傾向となり、07年の平均価格は、前年比47.1%高のキログラム当たり0.50ユーロ、08年は、同8.0%高の同0.54ユーロとなった。しかしながら、その後下落し、09年の平均価格は、前年比33.3%安の0.36ユーロとなった。(注:1ユーロ=122.71円、平成22年2月平均値)
 
 なお、Potato Councilによると、EUにおける2009年度(10月〜9月)のばれいしょの単収(青果用および加工用)は、前年度とほぼ同程度となっている。
 
 
 
〜2009年の化工でん粉輸出量は前年から減少〜
 
 2009年におけるEUのデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年比6.3%減の35万1000トンであった。輸出先国としては、トルコが最も多く(6万トン)、次いで、ロシア(4万2000トン)、スイス(3万8000トン)、米国(2万6000トン)、中国(2万6000トン)、韓国(2万1000トン)、日本(1万5000トン)となっている。
 
 輸出価格(FOB)については、2009年の平均は前年比9.3%安の1キログラム当たり0.78ユーロ、(日本向けは、前年比43.7%安の0.81ユーロ)となっている。
 
 
 

◆中 国◆

〜2009年は天然でん粉輸入量が大きく増加〜
 
 2009年の中国における天然でん粉輸入量は、前年比80.9%増の87万2000トンと大きく増加した。このほとんどがタピオカでん粉であり、輸入量全体の95%を占めている。
 
 輸入国別としては、タイ(前年比82.8%増の54万1000トン)、ベトナム(前年比79.6%増の28万2000トン)の2カ国からの輸入が主となっている。タイからは、タイ政府が担保融資制度に基づき保管していたタピオカでん粉を政府間取引で購入してもいる。
 
 一方、2009年の輸出量については、前年比30.8%減の37万3000トンとなった。輸出は、コーンスターチが主で、輸出先国別に見ると、インドネシア(7万6000トン)、フィリピン(4万8000トン)、韓国(2万7000トン)、カザフスタン(2万1000トン)、マレーシア(2万トン)、ナイジェリア(1万9000トン)となっている。
 
 
 
 
 
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