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段ボールにおけるでん粉

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最終更新日:2010年8月4日

段ボールにおけるでん粉

2010年8月

ザ・パック株式会社品質管理部 次長 裏戸 喜久

 当社は、総合パッケージメーカーとして、ショッピングバック(百貨店などの紙袋)、フィルムパッケージ、印刷紙器(ケーキ箱、贈答箱など)、段ボールケースなどの製造を行なっています。
 
 さて、当社の製品の一つである、段ボールですが、でん粉無しでは製品にならない深い関係があります。
 
 段ボールは表、裏にライナーと呼ばれる原紙と、特有の波型をした中しん原紙の三枚の紙で構成され、それぞれの接着にでん粉糊を使用しています。
 
 主にコーンスターチを用いますが、タピオカ原料のでん粉を用いている会社もあり、また各々段ボールの用途に適した調合を行いますが、接着方法はほぼ同様となっています。
 
 段ボール用接着剤は、小麦粉、ニカワなどから始まり、水ガラス(注)を経て、現在のでん粉での接着が確立されました。
 
注:ケイ素ナトリウムの濃い水溶液。水あめ状で粘性があり、接着剤として利用される。
 
 

・国内段ボール状況

 2009年の国内の段ボール生産量は、昨年度の世界的不況の影響を受け、126.2億平方メートルとなり、2008年比、93.1%の落ち込みとなりました。
 
 各年の段ボールの生産量は、GDPの推移に近似し、生活と密接な関係を持っていると言えます。
 
 出荷される段ボールの需要部門別では、加工食品向けが多く、青果物、その他の食品を含めると、60%近くを占めます。
 
 続いて、電気器具・機械器具用、薬品・洗剤・化粧品用と続き、近年は通販・宅配引越し用分野での伸長が期待されます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

・当社での段ボールの製造工程

 段ボールは、コルゲートマシンと呼ばれる全長約100メートルの機械にて、段ボールのシートを製造します。
 当社のコルゲートマシンは、最大2200ミリメートル×4500ミリメートルの寸法の段ボールシートを製造できます。
 
 シングルフェーサー部にて中しん原紙を波型に成形した後、裏ライナーと貼り合わせて片面段ボールを作り、その片面段ボールに表ライナーを貼り合わせて、罫線入れ・切断を行い、所定寸法に裁断した「段ボールシート」を生産します。
 
 後工程にて、印刷、抜き、貼り合わせ等の工程を経て、段ボール箱になります。
 当社では、段ボールに使用するコーンスターチを購入し、自社内にてダンボール製造に適した調合を行い、使用しています。
 段ボール製造に使用する接着剤は、コーンスターチ、苛性ソーダ、ホウ砂、そして温水を使用し調合しています。
 
 品質に影響を与える要因は、主に調合設定ですが、原料となるコーンスターチについては水分、粗タンパク、pH、でん粉価を管理項目として規格を設けています。
 製造会社においては、これら規格に沿って製造されるためバラツキが無く、当社においてコーンスターチ起因による不具合は、今までありません。
 特に調合での問題点などは、製造会社からも積極的に一緒に取り組んでいただき、段ボール接着の勉強会の実施など、日ごろから協力的な関係を続けさせていただいております。
 
 
 
 
 

・環境活動

 当社独自の取組みのひとつとしてザ・パックフォレスト事業があります。
 ザ・パックフォレストとは、当社が開発しました非木材紙などを使用した環境商品の売上の0.5%をフォレスト基金としてNPO団体を通じ、植林・保護活動を行うものです。お客様の賛同がございましたらパッケージにフォレストマークを印刷し、一般消費者へのアピールと、植林保護活動への参加もお願いしています。
 
 現在国内6箇所に植林地があり、私たちもボランティア活動の一環として参加しています。
 また、工場内、事務所内で発生した紙くずを分別収集し、製紙会社へ戻すことで、オリジナル原紙の生産や再生紙として、紙になり、再び当社にて紙加工品としての生産を行なう、循環系の活動も行なっています。
 
 一方、近年、輸出梱包において欧州でのREACH規則が発令され、梱包材である段ボールにも適用されています。
 REACH規則とは、欧州連合(EU)における化学品の登録・評価・認可および制限に関する規則で、随時追加される特定化学物質を含まれる材料や製品が対象となっています。当社での顧客において、EUへの輸出製品の梱包材として含有化学物質の調査の依頼を受けることがあり、特定物質に段ボールの接着剤の調合に使用するホウ砂が該当し、段ボール製品内の含有量の報告業務が多くなってきています。
 
 今後としては、コーンスターチ製造会社とともに特定化学物質を用いない、接着剤の開発を進めていきたいと考えています。
 
 
 
 
 
 
 

引用資料

「段ボールハンドブック」全国段ボール工業組合連合会
「提言PART29」日本紙加工産業労働組合協議会
 
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:情報課)
Tel:03-3583-8713



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