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でん粉の需給・価格動向

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最終更新日:2012年2月10日

でん粉の需給・価格動向

2012年2月

調査情報部
 

※ばれいしょでん粉と化工でん粉のEU関連記事については、2月9日現在関係データが公表されていないため掲載しておりません。

主要国におけるでん粉事情(2012年1月現在)

 
 

絵で見る世界のでん粉製品需給

 
 

海外のでん粉需給動向

とうもろこし

米 国

収穫面積および単収増により生産量は上方修正

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は1月12日、1月の世界農産物需給推計の月次報告を公表した。米国における2011/12穀物年度(2011年9月〜2012年8月。以下、「2011/12年度」)のとうもろこしの生産量は、前月の値から4800万ブッシェル(122万トン、1ブッシェル=25.4キログラム)上方修正された。これは、収穫面積が4万5千エーカー、単収が1エーカー当たり50万ブッシェル引上げられたためである。


輸出量の上方修正により期末在庫はわずかに引下げ

 一方、消費については、国内消費量は前月の値に据え置かれたものの、輸出量は堅調な伸びを反映して5000万ブッシェル上方修正された。その結果、期末在庫は200万ブッシェルの下方修正となったが、生産者平均販売価格は前月の値から上値、下値ともに1ブッシェル当たり20セント下方修正されて5.70〜6.70セントとされた。

 本報告の公表に当たって市場関係者の多くは、生産量の減少により期末在庫は1億ブッシェルほど減少すると予測していたが、これに反する結果となったため、公表当日(1月12日)のとうもろこし先物相場(期近)はストップ安となった。
(シカゴとうもろこし相場の直近のデータについては、当機構ホームページ(http://www.alic.go.jp/international/index.htmlの「海外情報」)に掲載しています。)
(1米ドル=78.74円、12月末日TTS相場)
 
 
11月の中国向け輸出量は、大幅増加の73万トン
 
 
 11月のとうもろこし(HScode:100590)輸出量は、前年同月比11.3%増の405万5000トンとなった。国別では、日本向け103万1000トン(同25.1%減)、メキシコ向け97万3000トン(同67.8%増)、韓国向け35万1000トン(同20.2%減)となっている。中国向けについては、前年同月の1200トンから大幅に増加し、73万1000トンとなった。

 1〜11月の累計で見ると、輸出量全体では、4139万8000トンと前年同期比を11.2%下回っている一方で、中国向けは同32.5%増の194万5000トンと前年の水準を大幅に上回っている。

 また、輸出価格(FOB)はトン当たり300米ドルと前月から横ばいで推移し、前年同月比では21.6%高と、高止まりの状況となっている。


中 国

11月の輸出量、前月より増加するも依然8900トンと低水準
 
 
 11月のコーンスターチ輸出量は、中国国内需要の増加などにより、前年同月比65.5%減のわずか8900トンとなった。国別では、インドネシア向け3300トン(同66.9%減)、韓国向け1500トン(前年同月実績なし)、マレーシア向け590トン(同69.7%減)、台湾向け560トン(同80.1%減)と、韓国向けを除いて大幅な減少となった。

 また、輸出価格(FOB)は同16.2%高となるトン当たり520米ドルとなり、前月からは2.6%安とやや値を下げたが、依然500米ドル台の高水準で推移している。

タピオカでん粉

タ イ
 
 
1月のタピオカでん粉価格、トン当たり440米ドル台で推移

 1月31日におけるキャッサバの農家販売価格は、キログラム当たり2.40〜2.75バーツ(でん粉含有率30%)となった。タピオカでん粉価格(バンコクにおけるFOB価格)は、1月31日現在で前年比20.5%安のトン当たり445米ドルとなった。1月の間、440米ドル台での推移であった。

 タイ政府は、2011年10月1日より開始されたコメ担保融資制度に続き、キャッサバについても担保融資制度を実施することとしている。


11月の輸出量は20万トン以上と、前月に続き高水準
 
 
 11月の輸出量は、20万5000トンと前年同月を45.6%上回ることとなった。7月以降5カ月連続で前年の水準を大幅に上回っており、1〜11月までの累計輸出量でも170万トンと前年同期比を9.4%上回ることとなっている。

 輸出量を国別に見ると、インドネシア向けの輸出の増加が目立ち、7万3800トン(前年同月の約13.3倍)と大幅な伸びを見せている。台湾向け3万1600トン(前年同月比24.8%増)、中国向け3万100トン(同48.4%減)、マレーシア向け2万6200トン(前年同月の約2.4倍)、日本向け1万4600トン(同69.5%増)であった。 

化工でん粉

輸出国の動向

タ イ

11月の輸出価格、続落しトン当たり730米ドル
 
 
 11月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比0.6%増の6万9200トンとなった。国別では、日本向け2万2800トン(同4.0%増)、中国向け1万5000トン(同15.5%減)、インドネシア向け7100トン(同43.8%増)、韓国向け5400トン(同2.2%増)、インド向け2200トン(前年同月の約5.0倍)であった。1〜11月までの中国向け輸出量の累計は、前年同期比31.1%増の13万8000トンと大幅に増加している。

 また、輸出価格(FOB)は、タピオカでん粉価格の下落を受け続落し、前月よりトン当たり10米ドル安の730米ドルとなった。


米 国

11月の輸出価格、トン当たり900米ドルに続伸
 
 
 11月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比12.1%減の3万6000トンとなった。国別では、カナダ向け6400トン(同19.2%減)、日本向け5400トン(同2.8%減)、ドイツ向け3900トン(同29.3%減)、メキシコ向け3900トン(同22.2%減)、英国向け2400トン(同33.8%減)と軒並み減少した。

 また、輸出価格(FOB)は前月からトン当たり10米ドル値を上げ、同11.3%高の900米ドルに続伸した。
中 国

11月の輸出価格、トン当たり760米ドルに下落
 
 
 11月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比9.8%減の8000トンとなった。国別では、日本向けが最も多く3400トン(前年同月の2.1倍)、次いで韓国向け2100トン(前年同月比53.7%減)、マレーシア向け830トン(同37.4%増)、香港向けが420トン(同55.1%増)となった。

 また、輸出価格(FOB)は、前月のトン当たり830米ドルから760米ドルと軟化したものの、前年同月比では16.4%高と依然高水準である。


輸入国の動向

中 国

11月の輸入価格、前月からトン当たり120米ドル上昇
 
 
 11月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸入量は、前年同月比26.5%増の2万3800トンであった。8月以降の輸入量は、前年の水準を大幅に上回って推移しており、1〜11月の累計でも21万5000トンと前年同期を15.9%上回っている。なお、主な輸入先国はタイで、約2/3のシェアを占めている。

 中国は、堅調なでん粉需要を反映して、2009年6月以降化工でん粉の純輸入国となっている。11月の純輸入量は、輸入量の増加によって前年同月比59.1%増となる1万5700トンとなった。1〜11月の累計でも、前年同期比34.4%増の12万1000トンとなっている。

 また、11月の輸入価格(CIF)は前年同月比では9.5%高のトン当たり1090米ドルと、前月から120米ドル上昇した。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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